こんにちは、G-genの荒井(@arapote)です。みなさん、パブリッククラウドはご利用でしょうか?!既に利用されている企業様も多いかと思いますが、全国的にはまだまだオンプレミスを運用している企業も多くいらっしゃると思います。今回はそんな方々でも、かんたんにクラウドを体験していただけるよう、無料で Google Cloud(旧称 GCP)をご利用いただける方法をご紹介いたします。
※本記事に記載の情報は2024年11月時点のものです。
Google Cloud って無料で使えるの?
早速本題の「Google Cloud を無料で使えるか?」ですが、結論からお伝えしますと Yes です。とはいえ、もちろん完全に無料というわけではありません。いくつか条件がありますのでご紹介いたします。
Google Cloud には、無料枠と無料トライアルがあります。これらを利用することで、Google Cloud を無料で利用することができます。それでは、それぞれの内容を確認していきましょう。
無料枠と無料クレジットの詳細は、以下の公式ドキュメントをご確認ください。
「無料枠」と「無料トライアル」
無料枠とは
無料枠とは、Google Cloud のプロダクトごとに設けられた、一定量まで毎月無料で利用することができる仕組みです。
この無料枠は後述の無料トライアル期間とは関係なく設けられており、毎月、定められた量を無料で利用できます。この無料枠を超えた分については、通常どおり課金されます。人気のプロダクトにも無料枠が設定されていますので、Google Cloud を無料で、あるいは安価に利用することができます。無料枠の例は、以下の通りです。
プロダクト名 | 無料枠 |
---|---|
BigQuery | ・1TB のクエリ ・10GB のストレージ |
Cloud Storage | ・5 GB の保管料金(us-west1 、us-central1 、us-east1 のみ。Standard Storage) |
Compute Engine | ・e2-micro タイプの VM 1台(us-west1 、us-central1 、us-east1 のみ。Standard Storage)ほか |
適用リージョンの指定など、制限については以下のドキュメントをご確認ください。
- 参考 : 無料枠の使用量上限
無料枠の適用範囲
Google Cloud の無料枠は、特記がない場合は「請求先アカウント」の単位でカウントされます。Google Cloud プロジェクトが複数あっても、同じ請求先アカウントに紐づいていれば、1つの無料枠を共有することになります。
- 参考 : 無料枠
請求先アカウントについては、以下の記事も参照してください。
無料トライアルとは
無料トライアルは、Google Cloud を初めて利用される方向けに$300のクレジットが付与される仕組みです。こちらのクレジットには、90日間という有効期間があります。90日経過後、クレジットは消滅してしまいます。
このクレジットを使うことで、$300 分までは無料で Google Cloud を試用できます。
無料トライアルの対象となる条件などについて、以下のドキュメントに記載がありますのでご確認ください。
- 参考 : 90 日間 $300 分無料トライアル
利用イメージ
無料枠と無料トライアルをご紹介しましたが、文字だけだと少しわかりにくいと思うので利用例を図にしてみましょう。わかりやすくするために、1ヵ月を30日としています。
課金が発生するケースは、以下のどちらか(もしくは両方)を満たした場合となります。
- $300のクレジットを超過した
- 90日経過後も利用を継続している
しかし重要なポイントとして、$300を超えた、あるいは90日間が経過したからといって勝手に課金が開始されるわけではありません。サービス利用開始時にクレジットカードの情報登録作業があるものの、自動課金にはなりません。(これ、良心的ですよね!)
コンソール画面上にこのような親切な表示があり、利用者が自身で課金を有効にしない限り、クレジットカードを登録しても課金は始まりません。
なお、無料クレジットを使い切ってもGoogle Cloud を継続的に使いたいという方向けに、G-genではGoogle Cloud を5%OFFでお得にご利用いただけるサービスがあります。詳細は以下の記事を参照してください。
利用料金の例
無料クレジットが$300付与されるとご紹介しましたが、これって多いの?少ないの?そんな疑問が出てきた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
一例ですが、Google Cloud で仮想サーバーを運用した場合の利用料金の例を記載します。
- マシンタイプ : e2-standard-4(vCPU 4、RAM 16 GiB)
- ストレージ : 100 GiB
- OS : Windows Server または Ubuntu
上記のようなスペックの場合、Windows Server では $272.83、Ubuntu(あるいはライセンス料のかからない OS)の場合は $138.51 / 月です(いずれも2024年11月現在、東京リージョン)。
1ヵ月間、仮想サーバーを起動し続けてもこの料金です。Compute Engine は従量課金制(マシンが起動している間のみ料金が発生)なので、利用していないときはマシンを停止するなど工夫すると、さらに効率的に利用できるのではないでしょうか。
Google Cloud 利用開始準備
手順の概要
Google Cloud は使い方次第で無料で利用できることがわかりましたので、利用の準備を進めましょう。利用開始までの大きな流れは、以下の通りです。
- Google アカウントの準備
- Google Cloud 利用情報登録
- Google Cloud 初期設定
必要なもの
Google Cloud を利用するために必要な環境を事前に準備しておきましょう。
- インターネットに接続できる PC
- Google アカウント
- SMS が受信できる電話番号
- クレジットカード(登録は必須ですが、課金は任意)
Googleアカウントの準備
Google Cloud を利用するためには、Google アカウントが必要です。Google アカウントは大きく分けて、3つの準備方法があります。
- Cloud Identity で Google アカウントを管理する(自社ドメインが必要、無償または有償)
- Google Workspace で Google アカウントを管理する(自社ドメインが必要、有償)
- 無料 Gmail アカウントを利用する
Google アカウントに関する詳細は、以下の記事もご参照ください。
無料 Google アカウントの作成
すでに Gmail などを利用されている方は、そのアカウントでも利用が開始できます。Gmail も Google アカウントも持っていない方は、Google アカウントのログインページで「アカウントを作成」をクリックし、指示に従って入力を進めることで無料の Google アカウント(Gmail アカウント)を作成できます。
ただし、企業や官公庁などの組織で Google Cloud を使う場合は、Cloud Identity や Google Workspace で Google アカウントを管理することが強く推奨されます。無料で Cloud Identity 組織を作成する方法は、以下をご参照ください。
後編へ
ここまで準備ができたら、あとは Google Cloud にアクセスして利用開始手順を進めることができます。利用開始手順は、後編でご紹介いたします。
また、以下のリンク集では各プロダクトをわかりやすく解説した当社記事がまとまっています。ブックマーク必須です!!
荒井 雄基 (記事一覧)
クラウドソリューション部
オンプレ環境のネットワーク・サーバーシステムを主戦場としていたが、クラウド領域にシフト。
Google Cloud 認定資格 7冠
現在は Google Workspace を中心に企業の DX 推進をサポート。
最近頑張っていることは、子どもがハマっている戦隊モノの踊りを踊れるようになること。