G-gen の高宮です。当記事は、Google Cloud Next '26 in Las Vegas の 3 日目に行われたブレイクアウトセッション「 Accelerate CI/CD with coding agents 」のレポートです。
G-gen Tech Blog では、現地でイベントに参加したメンバーや、日本から情報をウォッチするメンバーが、Google Cloud Next '26 に関連する記事を発信します。

セッションの概要
本セッションでは、Google の Haroon Chaudhry 氏(Software Development Manager)と Yeshwanth Gunasekaran 氏(Software Engineer)が登壇しました。
セッションでは、生成 AI を用いてコードを記述した後、本番環境へデプロイするまでの CI/CD パイプライン構築に関する課題と、それを解決するための新しい拡張機能である Google CI/CD Extension が発表され、デモを交えて紹介されました。

ソフトウェア開発の加速と CI/CD の課題
2026年4月現在、生成 AI の普及により、開発者の 90% が日常的に AI を使用しています。しかし、AI によって生成されたアプリケーションを本番環境へデプロイする際、約 60% の開発者が課題に直面していると語られました。安全な CI/CD パイプラインを構築するには、単にスクリプトを生成するだけでなく、多様なツールが混在する複雑な環境全体を適切に制御する必要があるからです。

複数の CI/CD プラットフォームの利用、DevSecOps ツールの統合、インフラストラクチャとコードの連携などの課題により、AI の CI/CD 領域での採用率は 27% に留まっています。AI エージェントは単なるコード生成ツールから、インフラストラクチャ全体を統合するオーケストレーターへと進化する必要があることが強調されました。

Google CI/CD Extension の概要と特徴
この課題を解決するため、Gemini エージェントを統合オーケストレーターとして機能させる Google CI/CD Extension が発表されました。
この拡張機能は、Gemini CLI の拡張機能および Claude Code プラグインとして利用可能であり、オープンソースとして提供されます。Cloud Run や Google Kubernetes Engine(GKE)などのランタイムに対応しており、自然言語を用いて CI/CD パイプラインの設計、構築、デプロイを行うことができます。

Google CI/CD Extension は、以下の 4 つのコンポーネントで構成されています。
| コンポーネント | 説明 |
|---|---|
| Skills | CI/CD パイプラインの設計やデプロイに関する事前定義されたワークフローと知識。 |
| Local MCP Server | ユーザーの認証情報で実行され、Google Cloud の CI/CD ツールを管理するローカルの Model Context Protocol サーバー。 |
| Grounding through knowledge base | CI/CD のベストプラクティスやデプロイメントパターンをパッケージ化したナレッジベース。 |
| Offline Evals | オープンソースや独自開発のプロジェクトにおける設計・デプロイパターンをテストする評価システム。 |

Google CI/CD Extension を用いたデモ
1. Cloud Run への自動デプロイとシークレットスキャン
最初のデモでは、Cloud Code を用いて Python の Flask アプリケーションを Cloud Run にデプロイする様子が示されました。エージェントはアプリケーションの構成を理解し、Buildpacks を使用してコンテナイメージを構築します。

注目すべき点として、コンテナイメージをクラウド上にプッシュする前に、ハードコードされた認証情報がないかを確認するシークレットスキャンが、拡張機能の組み込みチェックとして自動的に実行されました。安全性が確認された後、ユーザーがリージョンや公開設定を指定すると、Cloud Run へのデプロイが完了しました。

2. 複数ステージの CI/CD パイプライン設計
2 つ目のデモでは、Gemini CLI を使用して、Cloud Build と Cloud Deploy を使用した複数ステージのパイプライン設計が行われました。
- 参考 : Cloud Build の概要
- 参考 : Cloud Deploy の概要
以下のプロンプトで指示すると、エージェントは自律的なパイプライン構築ステップを開始しました。
アプリケーション向けに、ステージング環境と本番環境を含む CI/CD パイプラインを設計してください。失敗時に自動ロールバックを行い、Cloud Build と Cloud Deploy を使用してください。

CI/CD パイプライン構築のステップは以下のとおりです。
| No | 概要 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 要件定義と計画 | 専用の Skills(google-cicd-pipeline-design、google-cicd-release-orchestration)を使用し、Google のベストプラクティスに基づいた計画を立案。 |
| 2 | デプロイパイプライン構成生成 | 各環境の Cloud Deploy 構成ファイルを生成。承認ゲートや自動ロールバックルールを自動で組み込み。 |
| 3 | インフラセットアップ | Developer Connect による GitHub 接続、Artifact Registry 作成、最小権限の IAM ロールを付与したサービスアカウントを準備。 |
| 4 | ビルド構成の実装 | Cloud Build 構成ファイルを作成。リポジトリへのプッシュをトリガーとしたエンドツーエンドのフローを完成。 |
- 参考 : google-cicd-pipeline-design
- 参考 : google-cicd-release-orchestration
- 参考 : 構成スキーマ リファレンス
- 参考 : ビルド構成ファイルを作成する
3. Terraform による Infrastructure as Code の生成
最後のデモでは、設計された CI/CD パイプラインのインフラストラクチャを、Terraform を用いたコードとして生成する様子が披露されました。元のプロンプトに「Terraform を生成して。」 の1文を追加するだけで、エージェントは専用の Skills google-cicd-terraform を呼び出し、必要な設定ファイルを出力します。

生成されたファイルには、Artifact Registry、Cloud Build、Cloud Deploy の設定に加え、専用のサービスアカウントや厳格な IAM ロールの付与までがコード化されており、本番環境レベルのパイプライン構築が対話のみで完結することが示されました。

高宮 怜(記事一覧)
クラウドソリューション部ソリューションアーキテクト課
2025年6月より、G-genにジョイン。前職は四国のSIerで電力、製造業系のお客様に対して、PM/APエンジニアとして、要件定義から運用保守まで全工程を担当。現在はGoogle Cloudを学びながら、フルスタックエンジニアを目指してクラウドエンジニアとしてのスキルを習得中。
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