G-gen の川村です。この記事では NotebookLM のマインドマップ機能の活用方法を解説します。
NotebookLM とは
NotebookLM とは、Google ドキュメント、PDF、音声、YouTube 動画などをソースとして指定し、その情報を基に要約・FAQ・メモを生成できる Google 提供の AI ノートサービスです。
一般的な生成 AI チャットアプリと異なり、回答の出典をユーザーが明示的に制御できるため、業務利用において高い信頼性が確保されます。
無償版で利用できる NotebookLM、有償版の NotebookLM in Pro(旧 NotebookLM Plus)、より企業向けの機能を強化した NotebookLM Enterprise があり、それぞれの機能の違いや活用ユースケースについては以下ブログをご参照ください。
マインドマップ機能とは
NotebookLM のマインドマップ機能は簡単なクリック操作で、資料を「マインドマップ」形式に自動で整理し可視化する機能です。
本来の「マインドマップ」とは、中心となるテーマから関連するキーワードやアイデアを放射状に広げて整理する図のことで、思考や情報の構造を視覚的に捉えるための手法です。 従来、作成に多くの時間と手間を要しましたが、AI を活用することでこのプロセスを自動化し即座に整理できます。
マインドマップは、以下のようなシーンで役立ちます。
- 概要理解 : 大量の情報を要点ごとに整理し、学習や資料分析に活用
- アイデア拡大 : 関連語や連想が促され、新しい発想を促進
- 記憶定着 : 視覚的に構造化され、記憶の定着に効果的
- 思考整理 : 複雑な情報も関係性ごとに可視化
事前準備
ソースの追加
NotebookLM に対象となるソースを追加します。 [ソース] からデータソースを追加するだけで準備完了です。(メインパネルに [マインドマップ] ボタンが表示されます)
マインドマップの使い方
マインドマップ生成
メインパネルの [マインドマップ] ボタンをクリックするとマインドマップが生成されます。
生成されたマインドマップをクリックすると、全画面に表示されます。
ソースで指定した資料の主要トピックと概要、またその関連性を視覚的にマインドマップ形式で自動整理、可視化されていることが確認できます。
今回は例として、金融庁が公開している PDF ファイルをソースとして指定しています。
操作方法
マインドマップは静的な図としての利用だけでなく、動的な操作や機能が特徴です。
ズームとスクロール : マインドマップを拡大・縮小し、俯瞰的もしくは部分的に情報整理します。
ブランチの展開/折りたたみ : ノード(トピック)横のブランチで詳細なトピックの表示・非表示を切り替えられます。
- ノードを選択して質問 : ノード(トピック)をクリックし、 NotebookLM に質問や出典元へ即座にアクセスできます。
- ダウンロード、その他 : 開いている画面で画像(PNG形式)としてダウンロードや、マインドマップの最小化、終了ができます。
共有
NotebookLM で作成したマインドマップは、他ユーザーと共有できます。
方法1 : ノートブックごと共有する
マインドマップを作成したノートブック右上の「共有」からユーザーやグループに共有し、共有先の相手も同じマインドマップを Studio パネル(NotebookLM の右画面)から利用できます。ただしグループの追加は、無償版 NotebookLM では利用できません。
方法2 : マインドマップをダウンロードして共有する
マインドマップウィンドウの右上にある「↓」よりダウンロードし、そのファイルをメールやチャットなどで送信し共有できます。
活用シーン
1. 複雑な情報や大量の資料の全体像把握
膨大な資料(学術論文や専門書)や学習教材などをマインドマップ化することで、情報間の階層構造や関連性が視覚的に示されるため、テキストよりも図解で全体像を掴みたい場合に有効です。
複雑な情報群の全体構造を、大項目から小項目まで直感的に理解できます。
また、出典元を確認したり復習したい項目がある場合は、ノードをクリックします。
その後、NotebookLM の回答からソースをクリックすることで、元の情報を確認できます。
2. 投影資料活用
セミナーやブログなどのコンテンツ配信の参考資料として活用できます。 例えば研修や教育の場でも、複数のトピックを順序立てて説明したり、視覚的に関係性を整理しながら解説することで受け取り手の理解を促進します。
3. 情報整理・可視化
①管理コンソールの組織一覧をひと目で把握
Google Workspace の組織構造を一目で把握したい場合にも役立ちます。 以下手順でユーザー一覧のデータを整形し、マインドマップとして組織に展開できます。
- Google Workspace 管理コンソールからユーザー情報をダウンロードし、Google ドライブでスプレッドシートに変換
- 必要な列 ( ユーザー名、組織、部署、役職列 ) のみ残して部署列でソートし、CSV 形式でダウンロード
- データを TXT ファイルへ変換後、 NotebookLM のソースに追加し [マインドマップ] ボタンをクリック
②顧客フィードバックとサービス改善点の発見
顧客サポート記録やアンケート結果をマインドマップで整理すると、未整理の内容も AI で自動で分析・カテゴライズし、「ポジティブ」と「改善要望」のようにノードを分けて表示します。
頻出する要望やクレームの種類、特定の機能への評価などが可視化され、具体的なサービス改善点の発見に役立ちます。
4. 会議のネクストアクション整理
会議の音声ファイルや議事録をアップロードしマインドマップ機能を利用すると、会議内容(主な議題、決定事項、担当者、期限など)が視覚的に整理されます。
これにより、関連課題の抜け漏れやネクストアクションの明確化が期待でき、課題整理やアイデア創出に役立ちます。
5. アイデア発想とブレインストーミングの促進
マインドマップは自由な連想を促し、新たなアイデアや視点を見つけたり複数のアイデアを組み合わせたりすることができます。
例えば、自身の経歴や実績、関心事などを記述した文章をソースとしてマインドマップを作成します。
これにより、「職務経験」で培ったスキルと「個人的な興味」が将来の「目標」達成にどう結びつくかなど、要素間の意外な繋がりや相乗効果を発見できる可能性があります。 これは、新たな視点の発見やモチベーション向上にもつながるでしょう。
注意点
以下の注意点に留意してください。ただし、今後のアップデートにより変更される可能性があります。
- NotebookLM モバイルアプリは現在この機能をサポートしていません。
- 現時点ではマインドマップの修正は行えません。
川村真理(記事一覧)
クラウドソリューション部 クラウドサポート課
美容業界からITへ転身。Google Workspace 専任サポートから Google Cloud にも興味が湧き日々奮闘中。海外旅行が大好きで11カ国突破、これからも更新予定