G-genの min です。Looker Studio には、フィルタや期間などを適用した特定の表示状態を URL として保存・共有する機能があります。本記事では、特定の表示状態を保存・共有するための「レポートの現在のビューにリンクする」と「カスタム ブックマーク リンク」という2つの機能について、設定方法から利用例まで解説します。

概要
用途に応じて以下の2種類の方法があります。
| 機能 | URL生成方法 | 設定 |
|---|---|---|
| レポートの現在のビューにリンクする | 共有 メニューから都度、手動で生成 |
事前の設定は必要なし |
| カスタム ブックマーク リンク | URL が自動更新され、アドレスバーからコピー可能 | レポート編集者が事前に有効化する必要あり |
以降で、それぞれの機能について詳しく解説します。
レポートの現在のビューにリンクする(手動生成)
概要
「レポートの現在のビューにリンクする」とは、レポートの編集者や閲覧者が、その時点での表示状態をキャプチャし、その状態を反映した URL を手動で生成する機能です。
フィルタや期間設定はもちろん、グラフのドリルダウンやクロスフィルタリングといったインタラクティブな操作結果も URL に含められます。特定の分析結果を一時的な共有リンクとして利用するのに適しています。
この URL を受け取ったユーザーは、共有者が意図した表示状態でレポートを閲覧できます。また、閲覧者自身がこの URL をブックマークすることで、いつでも同じ表示状態でレポートにアクセスできます。
- 参考 : レポートへのリンクを取得する
設定方法
- レポートを表示または編集モードで開きます。
- 共有したい表示状態になるように、フィルタや期間、グラフのドリルダウンなどを操作します。
- 画面右上の
共有ボタンの横にある下矢印をクリックし、レポートへのリンクを取得を選択します。
- ダイアログで
レポートの現在のビューにリンクするのチェックボックスをオンにします。
リンクをコピーをクリックして URL を取得し、共有します。
カスタム ブックマーク リンク(自動更新)
概要
レポートの設定でカスタム ブックマーク リンクを有効にすると、レポートの閲覧者がフィルタなどを操作するたびに、その設定が URL の末尾にパラメータとして自動的に付与されます。
この設定を有効にすると、閲覧者がフィルタなどを操作するたびに URL が自動で更新されます。ブラウザのアドレスバーから直接 URL をコピーして共有やブックマークができます。
設定方法
この設定には、レポートの編集権限が必要です。
- レポートを編集モードで開きます。
- メニューから
ファイル>レポート設定を選択します。
- レポート設定パネルの
カスタム ブックマーク リンクで、閲覧者の設定をレポートのリンクで有効にするのチェックボックスをオンにします。
カスタム ブックマーク リンクの応用
「カスタム ブックマーク リンク」機能は、URL パラメータの仕組みを理解することで、さらに応用ができます。
URL パラメータの構文
カスタム ブックマーク リンク機能を有効にしたレポートでフィルタなどを操作すると、URL は以下のような構造になります。
https://lookerstudio.google.com/reporting/REPORT_ID/page/PAGE_ID?params=クエリパラメータ
params= 以降の クエリパラメータ 部分に、フィルタの値などの表示状態が JSON 形式で格納されます。この JSON 部分を理解し、手動またはプログラムで生成することで、高度な利用が検討できます。
レポート間のドリルスルー
例えば、サマリーレポート(例 : エリア別売上サマリー)から、特定の項目で絞り込んだ状態を維持したまま、詳細レポート(例 : 店舗別売上)へ遷移させることができます。
これを実現するには、サマリーレポートの表に、パラメータを付与した詳細レポートへの URL をリンクとして埋め込みます。
具体的には、Looker Studio の計算フィールドで HYPERLINK 関数と CONCAT 関数を使い、選択したディメンション(例ではエリア名)を含むパラメータ付きの URL を動的に生成します。この URL には「エリア」での絞り込み情報を含めることができます。これにより、ユーザーはエリア名をクリックするだけで、そのエリアに絞り込まれた詳細な分析へ深掘りできます。
注意事項
表示モードでのみ有効
「カスタム ブックマーク リンク」機能は、レポートの表示モードでのみ機能します。編集モードでは URL にパラメータは自動付与されません。
URL の文字数制限
非常に多くのフィルタ値を設定すると URL が長くなり、ブラウザの上限(通常 2,000 文字まで)を超えると、設定が正しく反映されません。レポートはデフォルト設定で表示されます。
アクセス制御には利用不可
URL パラメータは手動で編集が可能なため、特定のデータへのアクセスを制御する目的には利用できません。データアクセス制御には、データソース側での行レベルセキュリティなどの方法を利用する必要があります。以下の記事も参考にしてください。
佐々木 愛美 (min) (記事一覧)
クラウドソリューション部 データアナリティクス課。2024年7月 G-gen にジョイン。G-gen 最南端、沖縄県在住。最近覚えた島言葉は、「マヤー(猫)」。
