G-gen の杉村です。Google Workspace では毎週、数個の機能アップデートが行われており、日々便利になり続けています。新しい機能の中には発表されてからすぐ使えるようになるわけではなく、時間をかけてロールアウト(順次リリース)されていくものがあります。そのスピードを制御する管理者設定について紹介します。

新機能のリリース設定
Google Workspace では、毎日のように新機能のアップデートが行われます。週に10個以上のアップデートが行われることも珍しくありません。アップデートは公式のリリースノートで確認することができます。リリースノートには日本語版もありますが、翻訳が数週間遅れるため、最新情報を確認するには英語版のサイトを見ることが推奨されます。
新しい機能のほとんどは、発表されてからすぐ使えるようになるわけではなく、時間をかけて順次リリースされます。この順次展開はロールアウト(rollout)と呼ばれます。ロールアウトはすべての Google Workspace テナント(ドメイン)に同時に行われるのではなく、ある組織と別の組織では、ロールアウトされるタイミングが異なります。
また、組織ごとに、管理コンソールでリリース設定を以下のいずれかから選択できます。
- 即時リリース(Rapid Release)
- 計画的リリース(Scheduled Release)
どちらを選択するかによって、新機能がロールアウトされるタイミングや、早期一般提供(早期 GA)段階の機能を使用できるかどうかが決まります。リリース設定は、管理コンソール(https://admin.google.com/)の [アカウント] > [アカウント設定] > [設定] から設定できます。
リリーススケジュール
ロールアウトの早さは、個々のアップデートごとに異なります。概ね以下のいずれかであり、そのアップデートがどれに該当するかは、アップデート記事に記載されています。
- 即時(Available now / Currently available / Already available。発表直後から利用可能)
- 完全に展開(Full rollout。起算日から1~3 日)
- 段階的に展開(Gradual rollout。起算日から最長 15 日)
- 長期的に展開(Extended rollout。起算日から15 日以上)
起算日は即時リリースと計画的リリースで異なっており、これも記事に記載されます。原則的に即時リリースのほうが起算日が早いですが、計画的リリースと同時のときもあります。
例として、「Google スプレッドシートの AI 関数機能の日本語対応」という機能アップデートでは、即時リリースは2025-09-23を起算日とする Gradual rollout で、計画的リリースの場合は2025-10-06を起算日とする Gradual rollout でした。
即時リリースと計画的リリース
即時リリース(Rapid Release)を選択している場合、いち早く新機能を使用することができます。
計画的リリース(Scheduled Release)では、即時リリースに1週間〜数週間遅れて機能がロールアウトされます。
公式ドキュメントでは、特に大組織においては以下のような戦略をとることを推奨しています。
- 本番環境ドメインでは計画的リリースを選択
- テスト環境のドメインでは即時リリースを選択
- テスト環境のドメインで新機能を試用したり、ユーザーからの問い合わせへの準備を整える。問題がなければ本番環境にも適用
このようにすることで、UI が変わったり新しい機能が使えるようになることでのユーザーの混乱を抑えたり、不具合の影響を抑えるなどが可能になります。しかし上記の方法は、複数の Google Workspace ドメインを保持する必要があり、管理工数や追加のライセンス費用が必要になってしまうため、運用体制の余力に応じて検討することになります。
設定の変更
リリース設定(即時リリースまたは計画的リリース)を変更するには、以下の手順を行います。この設定は、組織全体に適用されます。適用対象の組織部門等を選択することはできません。
1. 特権管理者アカウント等で管理コンソール(https://admin.google.com/)にログイン
2. 左部メニューから [アカウント] > [アカウント設定] をクリック
3. [設定] をクリック

4. [新機能] をクリックし、即時リリースまたは計画的リリースを選択して保存

なお、上記の「[新機能]」の下部に見える「新サービス」設定では、Google Workspace に新サービスがリリースされたときに、自動的に使用可能にするかどうかを選択する設定です。例えば、2024年11月には Google Vids という動画編集ツールが新サービスとしてリリースされました。
杉村 勇馬 (記事一覧)
執行役員 CTO
元警察官という経歴を持つ IT エンジニア。クラウド管理・運用やネットワークに知見。AWS 認定資格および Google Cloud 認定資格はすべて取得。X(旧 Twitter)では Google Cloud や Google Workspace のアップデート情報をつぶやいています。
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