WARNING: Property validation for compute/region was skipped.

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G-gen の佐々木です。当記事では、gcloud config set コマンドでデフォルトのリージョンやゾーンを設定する際に表示される警告メッセージについて解説します。

はじめに

当記事では、以下のバージョンの Google Cloud SDK で検証を実施しています。

$ gcloud version
Google Cloud SDK 502.0.0

デフォルトのリージョン・ゾーン設定時の警告メッセージ

gcloud config set コマンドでは、gloud コマンドを実行する際に指定するリージョンやゾーンなどのプロパティのデフォルト値を事前に設定しておくことができます。

デフォルト値を設定しておくことで、--region フラグや --zone フラグを省略してコマンドを実行することができます。

たとえば、以下のコマンドを実行することで、Cloud Run のリソースを操作(作成、更新、削除など)する際、デフォルト値に設定したリージョンを使いたい場合に限り --region フラグを指定する必要がなくなります。

# gcloud run コマンドのデフォルトのリージョンを設定
$ gcloud config set run/region asia-northeast1
Updated property [run/region].

ところで、gcloud config set コマンドでデフォルト値を設定しようとすると、以下のような警告が表示される場合があります。

WARNING: Property validation for compute/region was skipped.

この警告文は、たとえば gcloud compute コマンドのデフォルトのリージョンやゾーンを設定する場合などに表示されます。

# gcloud compute コマンドのデフォルトのリージョンを設定
$ gcloud config set compute/region asia-northeast1
WARNING: Property validation for compute/region was skipped.
Updated property [compute/region].
  
# gcloud compute コマンドのデフォルトのゾーンを設定
$ gcloud config set compute/zone asia-northeast1-b
WARNING: Property validation for compute/zone was skipped.
Updated property [compute/zone].

警告は出るものの、デフォルトの値は問題なく設定されます。

# デフォルトの値を確認(出力抜粋)
$ gcloud config list
[compute]
region = asia-northeast1
zone = asia-northeast1-b

警告メッセージの意味

このメッセージは、gcloud config set コマンドで指定した値が、実際に使用できる値かどうかの検証はされていない、ということを示しています。

たとえば、gcloud compute コマンドのデフォルトのリージョンとして、実際に存在しないリージョンを設定してみます。指定した値が正しいリージョン名かどうかは検証されないため、エラーは発生せず、デフォルトの値として設定できてしまいます。

# 存在しないリージョンをデフォルトのリージョンとして設定する
$ gcloud config set compute/region hokkaido
WARNING: Property validation for compute/region was skipped.
Updated property [compute/region].
  
# 存在しないリージョンでも設定できてしまう(出力抜粋)
$ gcloud config list
[compute]
region = hokkaido
zone = asia-northeast1-b

ちなみに、コマンドによっては警告メッセージが出ない場合もあります。記事の冒頭に記載した gcloud run コマンドのデフォルトのリージョンを設定するコマンドでは。警告メッセージが出ません。

# gcloud run コマンドのデフォルトのリージョンを設定
$ gcloud config set run/region asia-northeast1
Updated property [run/region].

しかし、この場合でも、存在しないリージョンを設定できてしまいます。

# 存在しないリージョンをデフォルトのリージョンとして設定する
$ gcloud config set run/region ggen-northeast1
Updated property [run/region].
  
# 警告が出ない場合もエラーが出ずに設定できてしまう(出力抜粋)
$ gcloud config list
[run]
region = ggen-northeast1

対処法

警告メッセージはどうしても気になってしまいますが、設定値が正しくても誤っていても警告メッセージは表示されるため、気にする必要はありません。

たとえ設定値が誤っている場合でもコマンドは成功してしまいますので、十分に気をつけましょう。

利用可能なリージョンの名称は、gcloud {サービス} regions list コマンドで確認できます。たとえば、Cloud Run が利用できるリージョンは以下のように確認できます。

# Cloud Run を利用できるリージョンの一覧を表示する
$ gcloud run regions list
NAME
africa-south1
asia-east1
asia-east2
asia-northeast1
asia-northeast2
asia-northeast3
asia-south1
asia-south2
asia-southeast1
asia-southeast2
australia-southeast1
australia-southeast2
europe-central2
europe-north1
europe-southwest1
europe-west1
europe-west10
europe-west12
europe-west2
europe-west3
europe-west4
europe-west6
europe-west8
europe-west9
me-central1
me-central2
me-west1
northamerica-northeast1
northamerica-northeast2
southamerica-east1
southamerica-west1
us-central1
us-east1
us-east4
us-east5
us-south1
us-west1
us-west2
us-west3
us-west4

佐々木 駿太 (記事一覧)

G-gen最北端、北海道在住のクラウドソリューション部エンジニア

2022年6月にG-genにジョイン。Google Cloud Partner Top Engineer 2025 Fellowに選出。好きなGoogle CloudプロダクトはCloud Run。

趣味はコーヒー、小説(SF、ミステリ)、カラオケなど。