G-gen の今村です。当記事では、Cloud SQL で提供されているパフォーマンス最適化機能の1つであるインデックスアドバイザーについて解説します。

概要
インデックスアドバイザーとは
Cloud SQL のインデックスアドバイザー機能は、Cloud SQL で実行されたクエリを自動的に分析し、パフォーマンス向上につながる最適なインデックスを提案する機能です。当機能は Cloud SQL の Enterprise Plus エディションでのみ使用できます。
2026年6月現在、Cloud SQL の主要な3つのデータベースエンジン(MySQL、PostgreSQL、SQL Server)のすべてでサポートされています。各データベースエンジンにおける基本的な機能の目的や仕組みに大きな違いはありません。
リレーショナルデータベースの運用において、クエリの実行速度低下を解決するためのインデックス追加は非常に有効な手段です。しかし、どのカラムにどのようなインデックスを定義すべきかの判断には、高度な知識と経験が必要です。インデックスアドバイザーを使用することで、システムが実際のクエリ負荷に基づいて具体的な推奨インデックスを提示するため、データベース管理者の運用負荷を大幅に削減できます。
Cloud SQL の機能の詳細は、以下の記事を参照してください。
仕組み
インデックスアドバイザーがクエリを分析する際は、具体的な数値や文字列などのリテラルを除外した「正規化クエリ」と呼ばれる共通のパターンで追跡されます。例えば、検索する数値が異なっていても、同じ型のクエリとしてまとめて統計が取られる仕組みです。
このデータを基に、パフォーマンス向上につながる新しいインデックスが自動で識別され、具体的な CREATE INDEX 文として推奨事項に保存されます。生成された推奨事項は、Google Cloud コンソールの Query Insights ダッシュボードや推奨事項画面からいつでも確認できます。
なお当機能が提案するのは、データの検索速度を高めるためのインデックスであり、主キーや外部キーなどのテーブル構成の推奨事項などは生成されません。またリレーショナルデータベースの一般的な仕様として、テーブルにインデックスを追加すると、データ更新時にインデックス更新も同時に行われることで書き込み処理の負荷が増加する点にも留意が必要です。
よって、インデックスアドバイザーによる推奨事項を無条件に採用するのではなく、パフォーマンス影響等を考慮して、適用の可否を判断してください。
料金と要件
料金
インデックスアドバイザー機能自体の使用に追加料金はかかりません。Cloud SQL の Enterprise Plus エディションを利用していれば、無料で使用できます。
対象エディションと要件
インデックスアドバイザーを使用するには、Cloud SQL の Enterprise Plus エディションを使用している必要があります。また、インスタンスで Query Insights 機能が有効化されていることが要件となります。
Query Insights が収集する指標データは、原則として Cloud SQL インスタンスのストレージ領域を占有しません。指標は Cloud Monitoring に保存されるため、インスタンス自体のディスク容量を圧迫しない設計になっています。ただし、収集された指標の転送や API リクエストに伴い、Cloud Monitoring 側の料金が適用される場合がある点に留意してください。
Cloud Monitoring の機能の詳細は以下の記事を参照してください。 blog.g-gen.co.jp
有効化の手順
インデックスアドバイザーを有効化する手順は以下の通りです。
- Cloud SQL の「インスタンス」ページに移動し、対象のインスタンス名をクリック
- 概要ページから「編集」をクリック
- 「構成の編集」をクリック
- 「インスタンスのカスタマイズ」セクションで「Query Insights」を展開
- 「Query Insights を有効にする」チェックボックスをオンにする
- 「インデックスアドバイザーを有効にする」チェックボックスをオンにする
- 「保存」をクリックして設定を反映
インデックスアドバイザーを有効にするには、インスタンスの再起動が必要です。本番環境で実施する際は、必ずメンテナンス可能な時間帯を計画してください。
推奨事項の確認
推薦インデックスの確認方法
推奨インデックスを確認する手順は以下の通りです。
- Cloud SQL の「インスタンス」ページに移動
- 対象のインスタンス名をクリックし、「Query Insights」をクリック
- 「上位のクエリとタグ」セクションで目的のクエリをクリック
画面に表示される評価データの内容
クエリの詳細画面では、推奨されたインデックスを適用すべきかを総合的に判断するための情報がまとまっています。
まず確認したいのがパフォーマンスへの影響です。推定クエリ速度が「高」「中」「低」の3段階で示されるため、導入によってどれほどの速度向上が見込めるかが一目でわかります。次に、その効果に対してどれほどのリソースが必要になるかを、影響を受けるテーブルと必要な追加ストレージサイズの推定値から見積もります。さらに、そのインデックスがシステム全体のどれほど多くの処理に貢献するかを、影響を受けるクエリの数で評価します。
このように、見込める効果とリソースへの影響を天秤にかけて適用の可否を判断した上で、画面上の「インデックスの作成」をクリックすると、実行すべき具体的な DDL が表示されます。
推奨事項は、自動的にデータベースへ適用されるわけではありません。そのため、ユーザー自身がコンソール画面から CREATE INDEX 文をコピーし、手動で適用作業を行う必要があります。
Gemini による支援
2026年6月現在、Cloud SQL ではインデックスアドバイザーによる自動分析だけでなく、生成 AI モデル Gemini を使用したクエリ作成のアシスタンス機能も提供されています。
Google Cloud コンソールの Cloud SQL Studio などの画面において、自然言語のプロンプトから SQL の生成や、クエリ構造の説明を取得できます。これにより、インデックスアドバイザーが提案した CREATE INDEX などの DDL の意図を深く理解したり、最適化されたクエリの記述を効率化できます。機能の具体的な使用方法や最新の要件については、公式ドキュメントを参照してください。
推奨事項の適用
推奨事項を適用するには、コピーした CREATE INDEX 文を、Cloud SQL インスタンス内のデータベースに対して手動で実行します。実行にあたり、普段運用で使用しているデータベース管理ツール経由で DDL を実行することも、Google Cloud コンソール上で直接 SQL を実行できる Cloud SQL Studio を使用することもできます。
一般的に、インデックスの作成処理は、既存のテーブル内にあるレコードを読み込んだうえで新しくインデックスを構築してディスクに書き込むため、データベースの CPU やディスク I/O などのリソースを大きく消費します。対象テーブルのデータ量によっては処理に長い時間がかかり、本番環境のパフォーマンスに影響を与える可能性がある点に留意してください。
そのため、本番環境へ適用する際は、事前に検証環境で処理時間や影響度を確認し、システムへの負荷を最小限に抑えられるよう、利用者の少ない時間帯に実行を計画してください。
