G-gen の min です。Looker Studio のレポートの公開設定は、レポートに加えた変更が閲覧者に表示されるタイミングを制御する機能です。この機能を利用して、レポートのバージョンを管理する方法を解説します。
概要
レポート作成時、デフォルトの状態では、編集者がレポートに加えた変更はほぼリアルタイムで閲覧者にも表示されます。これは個人での利用には便利ですが、複数人での共同編集を行う場合、編集中途の不完全なレポートが閲覧者に表示されてしまう可能性があります。
レポートの公開設定を有効にすると、レポートが「公開版」と「下書き版」の2つのバージョンに分離されます。閲覧者には常に安定した「公開版」が表示され、編集者は「下書き版」で作業を続けることができます。そして、下書き版の編集が完了したタイミングで、内容を公開版に反映(公開)できます。
- 参考 : レポートの公開設定
使用方法
公開設定を有効にする
レポートの公開設定を有効化する手順は以下の通りです。
1. Looker Studio でレポートを編集モードで開きます。
2. メニューから [ファイル] > [公開設定] を選択します。
3. 表示されたダイアログで [レポートの公開] のトグルスイッチをオンにして、[保存] をクリックします。
この設定を有効にすると、その時点のレポートが「公開版」として保存され、以降の編集はすべて「下書き版」に対して行われます。
変更内容を公開する
下書き版で行った変更を公開版に反映させる手順は以下の通りです。
1. レポートの編集画面の右上にある [公開] ボタンをクリックします。
2. 確認ダイアログが表示されるので、再度 [公開] をクリックします。
これにより、下書き版の内容が公開版に上書きされ、閲覧者が見るレポートが更新されます。
下書き版と公開版を切り替えて表示する
編集者は、表示モードで「下書き版」と「公開版」を自由に切り替えて確認できます。閲覧者は公開版しか見ることはできません。
1. Looker Studio でレポートを編集モードで開きます。
2. レポート名の右横に表示される [下書き版] > [変更履歴を表示] をクリックします。
3. 表示したいバージョンを選択します。
これにより、キャンバス画面上で下書き版と公開版の表示を切り替え、公開前に変更点を確認できます。
バージョンの仕組み
バージョン履歴との連携
レポートの公開設定は、Looker Studio の標準機能である「バージョン履歴」と連携して動作します。バージョン履歴からは、過去に保存された任意のバージョンを「公開」または「この版を復元」できます。この2つの操作は似ていますが、挙動が異なるため注意が必要です。
操作 | 影響を受けるバージョン | 説明 |
---|---|---|
公開 | 公開版 | 閲覧者が見る公開版が、指定したバージョンに置き換わります。現在の下書き版は変更されません。 |
この版を復元 | 下書き版 | 編集中の下書き版が、指定したバージョンで上書きされます。現在の公開版は変更されません。 |
例えば、「昨日の状態にレポートを戻したいが、現在編集中の内容は破棄したくない」という場合は「公開」を選択します。一方で、「編集していた内容を破棄して、昨日の状態からやり直したい」という場合は「この版を復元」を選択します。
- 参考 : 公開設定とバージョン履歴
レポートコピー時の挙動
公開設定がオンになっているレポートをコピーする場合、コピーするユーザーの権限によって挙動が異なります。
コピーするユーザー | コピーされる内容 | コピー後の公開設定 |
---|---|---|
編集者 | 下書き版と公開版の両方 | オンのまま |
閲覧者 | 公開版のみ | オフ |
編集者がレポートをコピーすると、公開設定を含めたすべての状態が複製されます。閲覧者がコピーした場合は、その時点の公開版のみがコピーされ、通常の(公開設定がオフの)レポートとして扱われます。
レポートをコピーするための操作は、下記をご参照ください。
- 参考 : レポートをコピーするには
佐々木 愛美 (min) (記事一覧)
クラウドソリューション部 データアナリティクス課。2024年7月 G-gen にジョイン。G-gen 最南端、沖縄県在住。最近覚えた島言葉は、「マヤー(猫)」。