G-gen の荒井です。当記事は Google Cloud Next '26 in Las Vegas の3日目に行われたブレイクアウトセッション「Transform meetings into outcomes using Google Workspace with Gemini」のレポートです。
G-gen Tech Blog では、現地でイベントに参加したメンバーや、日本から情報をウォッチするメンバーが、Google Cloud Next '26 に関連する記事を発信します。

セッションの概要
当セッションでは、日々の業務における「会議」に焦点を当て、Google Workspace と Gemini がどのように会議を効率化し、より価値のあるアウトプットを生み出せるかが紹介されました。
会議が抱える課題と Gemini による解決
会議における課題
会議は業務で必要不可欠な一方、あらゆる課題が発生しています。当セッションでは会議における課題を以下表のように整理しました。
| フェーズ | 主な課題 |
|---|---|
| 会議前 | カレンダーの重複による日程調整の負担、連続する会議による準備不足、事前情報の欠如。 |
| 会議中 | 議論からの逸脱や割り込み、議事録作成の負担、遅刻者への対応による議論の停滞。 |
| 会議後 | 決定事項やネクストステップの共有漏れ、会話内容消失からの再検討。 |
ハーバード・ビジネス・レビュー(Harvard Business Review)の調査によると、シニアマネージャーの 71% が「会議は非効率である」と回答しています。さらに、Atlassian の調査では従業員の 77% が「会議は明確な結果を出さずに終わっている」と報告しています。

会議の効率化とその実態
会議の効率化を促進するために、既存のインフラに後付けで AI ツールを導入する試みもありますが、これは結果的にツールの断片化による管理コストの増加とライセンスコストの増加を招きます。対して Google Workspace は、ユーザーが日常的に使用するツールに直接 AI を組み込んでいます。
Hypothesis Group の調査データによると、Gemini を統合した Google Workspace を使用している組織には以下のような効果が現れています。
- 全体的な生産性において 10% の優位性
- 競合他社(Microsoft 365)と比較して AI 投資に対する ROI が 15% 向上
- Workspace ユーザーの 82% が AI 機能に価値を感じている
Google Workspace 内のデータと連動するため、管理者が追加のセキュリティ設定を行わずとも、アクセス権限やデータ損失防止(DLP)ポリシーがそのまま維持される点も大きなメリットです。

Gemini を活用した会議効率化の具体例
日程調整の自動化
会議前の煩わしい作業を排除するため、Gemini を利用します。Google カレンダーでは参加者の予定を分析して最適な時間を提案できます。さらに、Gmail の Help me schedule 機能を使用すれば、メールのやり取りの中から直接カレンダーを参照し、インラインで会議の候補枠を提示・送信できます。

会議中メッセージの自動保存
会議が設定されると Continuous meeting chat 機能により、会議専用のチャットスペースが Google チャットに自動で立ち上がります。会議が始まる前にアジェンダや関連資料を共有しておくことで、参加者全員がコンテキストを理解した状態で議論をスタートできます。
移動中の安全な会議参加
移動中であってもシームレスに会議へ参加できるよう、Google Meet が車載システムに対応することが発表されました。
すでに Apple CarPlay には対応しており、近日中に Android Auto にも対応予定です。これにより、スマートフォンから車載のダッシュボードへ会議をシームレスに引き継ぎ、運転中もハンズフリーで安全に音声ベースの会議に参加できるようになります。

Take notes for me による議事録作成の自動化
会議中の最も大きな負担のひとつである議事録の作成も、Gemini に任せることができます。Take notes for me 機能を開始するだけで、発言内容が Google Docs に自動的に整理され、サマリーやネクストステップが抽出されます。この機能は過去 1 ヶ月で 1億1000 万人のユーザーに利用されており、前年比 8.5 倍の成長を記録しています。
- 参考 : Google Meet の自動メモ生成

さらに議事録取得機能は Google Meet だけではなく、Android 向けの Google Meet アプリを開き、ホーム画面から Take notes for me をタップすることで、対面ミーティングや、他社ツール(Zoom や Microsoft Teams など)を使用したオンライン会議の音声であっても、端末のマイクを通じて録音し、Gemini に議事録を作成させることができます。

Ask Gemini in Meet による言語の壁の排除
会議中に個人のアシスタントとして機能するのが Ask Gemini in Meet です。会議に遅れて参加した場合や、一瞬聞き逃してしまった場合に、「ここまでの議論の要点は何ですか?」と質問することで、他の参加者の議論を止めることなく状況をキャッチアップできます。

また Speech translation(リアルタイム翻訳)機能も提供されます。発言者の言語をリアルタイムで翻訳するだけでなく、発言者の「声のトーン」を維持したまま翻訳音声を生成するため、自然なコミュニケーションができます。
なお2026年4月現在、リアルタイム翻訳はまだ日本語に対応していません。
- 参考 : 音声翻訳について
成果物の強化とチャットの継続
会議が終了すると、Gemini は自動的に議事録のドキュメントを参加者全員にメールで共有します。今後のアップデート(2026年4月現在、アルファ版として提供)として、この議事録にはテキスト情報だけでなく、会議中に画面共有された「プレゼンテーションスライドのスクリーンショット」も含まれる ようになります。これにより、会議を欠席したメンバーの視覚的な理解度が大幅に向上します。
また、会議前に作成された Continuous meeting chat は会議後も存続するため、決定事項に基づく後続のコミュニケーションをそのまま継続できます。

顧客事例
Air Liquide 社における導入成果
セッションの後半では、65,000 人以上の従業員を擁する産業ガスメーカー Air Liquide 社の CTO、Jeremy Gibbons 氏が登壇し、具体的な活用事例を共有しました。
同社はコンセンサスを重視する文化であり、Gibbons 氏自身も週に 35〜45 回の会議に参加しています。Gemini の導入による期待効果として、以下のような事例が挙げられました。
| 期待効果 | 詳細 |
|---|---|
| 全メンバーの会議参加 | 議事録の作成担当者が不要になったため、実質的に「会議に参加できる人数が1人増えた」ことと同義になり、全員が議論に集中できるようになりました。 |
| 多言語環境での意思疎通 | グローバル企業において、全社員が英語に堪能とは限りません。リアルタイム翻訳機能が円滑なコミュニケーションの架け橋となっています。 |
| 業務プロセスの大幅な短縮 | 複数部門が妥協点を探る複雑な業務プロセス策定会議において参加者に徹底的に議論をさせた後、Gemini にその議論の要約とプロセス図の生成を依頼することで、数ヶ月に及ぶドキュメント作成期間を削減できました。 |

荒井 雄基 (記事一覧)
クラウドソリューション部 クラウドサポート課
オンプレ環境のネットワーク・サーバーシステムを主戦場としていたが、クラウド領域にシフト。現在は Google Workspace を中心に企業の DX 推進をサポート。
・Google Cloud Partner Top Engineer 2025 / 2026
・Google Cloud 認定資格 7冠
・Jagu'e'r エバンジェリスト
