Windows Serverを完全日本語化してみた

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G-gen の荒井です。
当記事ではGoogle Cloud (旧称 GCP) で汎用的に利用される Windows Server について、日本語化する手順をご紹介します。

なぜ日本語化が必要か

Google Cloud (旧称 GCP) で Windows Server を利用する場合、Windows OS イメージはデフォルトで英語設定となっております。(2022年8月25日時点)
そのため Windows Server の言語設定を日本語に変更する必要があります。
日本語設定を行わずに運用した場合、導入アプリケーションによっては文字化けや不整合が発生し、想定した挙動にならない場合がありますので、ご注意ください。

システム環境

今回のシステム環境は以下の通りです。
クライアント環境、特にリモートデスクトップアプリケーションによっては、アプリケーション固有設定でキーボード設定などが別途必要な場合があります。

日本語化するサーバー

  • Windows Server 2022 Datacentar 21H2(英語OS)
  • PowerShell Version : 5.1.20348.859
    ※ Google Cloud 上の Compute Engine で動作

クライアント環境

  • Windows 10 Professional 21H2(日本語OS)
  • リモートデスクトップ接続(Windows標準アプリケーション)

Windows Server 日本語化手順

設定方法については、効率を重視しGUIとCLIの作業を併用します。

手順1 日本語パックのインストールと適用

日本語パックのインストールと適用を行います。
本手順はコマンドでも実行可能ですが、コマンドが多くなることと時間もかかってしまうためGUIで進めます。

Windows(右クリック) > Run
ms-settings:regionlanguage と入力し OK
Language > Add a language
日本語 > Next
チェックボックスを全て有効 > Install
インストールが開始されます。
インストール完了後、サインアウトの確認画面が表示されるので Yes, sign out now でサインアウトを行います。
再度サインインし、言語が日本語になっていることを確認します。

念のため、PowerShell からも実行結果を確認してみます。
※ Power Shell を起動する際は管理者として実行を選択してください
万が一設定が反映されていない場合 Set-WinUserLanguageList -LanguageList ja-JP,en-US -Force で設定を行ってください。

実行するコマンド 説明
Get-WinUserLanguageList 現在のユーザー アカウントの言語リストと関連プロパティの設定情報を確認
Set-WinUserLanguageList -LanguageList ja-JP,en-US -Force 現在のユーザー アカウントの言語リストとプロパティを日本語に設定

PowerShell 実行結果

PS C:\Windows\system32> Get-WinUserLanguageList

LanguageTag     : ja
Autonym         : 日本語
EnglishName     : Japanese
LocalizedName   : Japanese
ScriptName      : Japanese
InputMethodTips : {0411:{03B5835F-F03C-411B-9CE2-AA23E1171E36}{A76C93D9-5523-4E90-AAFA-4DB112F9AC76}}
Spellchecking   : True
Handwriting     : True

LanguageTag     : en-US
Autonym         : English (United States)
EnglishName     : English
LocalizedName   : English (United States)
ScriptName      : Latin
InputMethodTips : {0409:00000409}
Spellchecking   : True
Handwriting     : False

#設定が反映されていない場合、以下を実行
PS C:\Windows\system32> Set-WinUserLanguageList -LanguageList ja-JP,en-US -Force

GUI上での変更箇所

手順2 タイムゾーン

本手順は、PowerShell で進めます。
タイムゾーンを設定します。

実行するコマンド 説明
Get-TimeZone タイムゾーンの設定情報を確認
Set-TimeZone -Id "Tokyo Standard Time" タイムゾーンを (UTC+09:00) Osaka, Sapporo, Tokyo に変更

PowerShell 実行結果

PS C:\Windows\system32> Get-TimeZone

Id                         : Greenwich Standard Time
DisplayName                : (UTC+00:00) Monrovia, Reykjavik
StandardName               : Greenwich Standard Time
DaylightName               : Greenwich Daylight Time
BaseUtcOffset              : 00:00:00
SupportsDaylightSavingTime : False

PS C:\Windows\system32> Set-TimeZone -Id "Tokyo Standard Time"

PS C:\Windows\system32> Get-TimeZone

Id                         : Tokyo Standard Time
DisplayName                : (UTC+09:00) Osaka, Sapporo, Tokyo
StandardName               : Tokyo Standard Time
DaylightName               : Tokyo Daylight Time
BaseUtcOffset              : 09:00:00
SupportsDaylightSavingTime : False

GUI上での変更箇所

手順3 国と地域

本手順は、PowerShell で進めます。
国と地域を設定します。

実行するコマンド 説明
Get-WinHomeLocation 国と地域の設定情報を確認
Set-WinHomeLocation 122 国と地域を 日本 に変更

PowerShell 実行結果

PS C:\Windows\system32> Get-WinHomeLocation

GeoId HomeLocation
----- ------------
  244 United States

PS C:\Windows\system32> Set-WinHomeLocation 122

PS C:\Windows\system32> Get-WinHomeLocation

GeoId HomeLocation
----- ------------
  122 Japan

GUI上での変更箇所

手順4 システムロケール

本手順は、PowerShell で進めます。
システムロケールを設定します。

実行するコマンド 説明
Get-WinSystemLocale システムロケールの設定情報を確認
Set-WinSystemLocale -SystemLocale ja-JP システムロケールを 日本語(日本) に変更
Restart-Computer システムを再起動

PowerShell 実行結果

PS C:\Windows\system32> Get-WinSystemLocale

LCID             Name             DisplayName
----             ----             -----------
1033             en-US            English (United States)


PS C:\Windows\system32> Set-WinSystemLocale -SystemLocale ja-JP

#再起動後に適用されるため、再起動を実施
PS C:\Windows\system32> Restart-Computer

PS C:\Windows\system32> Get-WinSystemLocale

LCID             Name             DisplayName
----             ----             -----------
1041             ja-JP            日本語 (日本)

GUI上での変更箇所

手順5 表示言語と地域設定

本手順は、PowerShell で進めます。
表示言語と地域設定を設定します。

実行するコマンド 説明
Get-WinUILanguageOverride 表示言語と地域設定の設定情報を確認
Set-WinUILanguageOverride -Language ja-JP 表示言語と地域設定を 日本語 に変更

PowerShell 実行結果

PS C:\Windows\system32> Set-WinUILanguageOverride -Language ja-JP
PS C:\Windows\system32> Get-WinUILanguageOverride

LCID             Name             DisplayName
----             ----             -----------
17               ja               日本語

GUI上での変更箇所

手順6 ハードウェア キーボード レイアウト

本手順は、GUI で進めます。
ハードウェア キーボード の レイアウト を変更します。

Windows(右クリック) > Run
ms-settings:regionlanguage と入力し OK
日本語 > オプション
レイアウトを変更する
日本語キーボード(106/109 キー) > 今すぐ再起動する

手順7 プロファイル

本手順は、PowerShell と GUI で進めます。
ようこそ画面、新規ユーザー向けにプロファイルをコピーします。

実行するコマンド 説明
Control international 表示言語と地域設定の設定情報を確認

PowerShell 実行結果

PS C:\Windows\system32> Control international

上記コマンド実行後 地域 ダイアログボックスがポップアップされます。

管理 > 設定のコピー

現在の設定のコピー先 のチェックボックスを両方有効にする > OK

今すぐ再起動

以上で、Windows Server の日本語化は完了です。

参考情報

リモートデスクトップアプリケーションとの相性により、日本語キーボードのレイアウトが適用されていない場合があります。
次の手順を実施することでキーボードレイアウトが適用されることがありますが、レジストリの変更を伴うためシステム環境にご注意いただき作業の実施をお願いいたします。

レジストリ変更

Windows(右クリック) > ファイル名を指定して実行

regedit と入力し OK

レジストリパス
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts\00000411

レジストリの値を以下の通り変更

設定項目 パラメータ
値の名前 Layout File
値のデータ KBDJPN.DDLkbd106.dll に変更

タスクバー キーボードタイプ変更

タスクバーの入力方式を日本語 Microsoft IMEに変更

荒井 雄基 (記事一覧)

クラウドソリューション部

オンプレ環境のネットワーク・サーバーシステムを主戦場としていましたが、クラウド領域にシフト。まだまだ駆け出しなので、みなさんと一緒に勉強をしていきたいです!
最近の楽しみは、子供と遊ぶこととマイホーム計画を進めること。