Preview版のサービスを使うとはどういうことなのか

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G-genの杉村です。 Google Cloud (旧称 GCP) では新機能やプロダクトが「Preview (プレビュー)」版などとしてリリースされることがあります。

これが何を意味しているのか解説します。

プロダクトのリリースステージ

Google Cloud プロダクトには以下の2つのリリース段階があります。

  • Preview (プレビュー)
  • Generally Available (一般提供、 GA)

プレビューは、機能のテストや評価 をするためのリリース段階です。一方で一般提供 (GA とも呼ばれる) は、 Google Cloud の正式なプロダクトとしてリリースされたことを意味します。

一般的に、プレビュー段階のサービスは 本番環境で利用するべきではない とされています。当記事ではこれについて、もう少し深堀りしてみます。

なお余談ですが、以前は Google Cloud では早期アクセス、アルファ版、ベータ版、一般提供の 4 つのリリース段階がありましたが、 2020 年 10 月に2つに統合されました。

参考: And then there were two: Simplifying our product launch stages

また Preview 段階の機能には "Private Preview" (プライベートプレビュー) というものもあります。この機能を使うには Google Cloud の担当者に連絡し、制限解除をしてもらう必要があります。

プレビュー版は何が問題なのか

規約の違い

プレビュー版は何が問題で、なぜ本番環境での利用が非推奨なのでしょうか。

その答えはサービス利用規約に記載があります。

これ以降、当記事では 2022 年 6 月時点での利用規約類について概要を解説しています。最新版の正確な規約文は、 必ず原本をご参照ください 。当記事で得られた情報によって不利益を被ったとしても、当社では一切の責任を負いません。

Pre-GA Offerings Terms

Google Cloud の利用規約群の一つである Service Specific Terms (サービス別利用規約) の General Service Terms の項にある 5. Pre-GA Offerings Terms を確認してみます。

抄訳すると、以下のようなことが書いてあります。

  • サービスは事前通知なしにいつでも変更、停止、中止されることがある
  • SLA の対象とならない
  • 技術サポートの対象とならない場合がある
  • Data Processing and Security Terms (データ処理とセキュリティについて書いた規約) の対象とならないため機密情報処理に使うべきではない
  • 規約に定められたデータのロケーションに関する規定から外れることがある

このことから、サービスは Preview 公開されたものの GA せず終了となる こともありえますし、 仕様が突然変更 になることもあります。

また SLA の対象となりません

これらの理由から、 Preview 公開された機能は本番環境で使うべきではないとされているのです。

GA を待つ

プロダクトが GA されると Google Cloud release notes公式ブログ で発表されます。

G-gen ではこれらの公式サイトの RSS をサブスクライブし、社内 Slack に新着情報が通知されるようにしています。

最新情報をチェックして、新サービスが Preview 公開されたり、 GA されるのを楽しみに待ちましょう。

杉村 勇馬 (記事一覧)

執行役員 CTO / クラウドソリューション部 部長

元警察官という経歴を持つ現 IT エンジニア。クラウド管理・運用やネットワークに知見。AWS 12資格、Google Cloud認定資格11資格。X (旧 Twitter) では Google Cloud や AWS のアップデート情報をつぶやいています。