Cloud Digital Leader試験を非エンジニアが受験してみた

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G-gen セールスチームの溝口です。Google Cloud(旧称 GCP)の認定資格である Cloud Digital Leader 試験を受験し、合格した際に利用したサイトや勉強方法、難易度などをまとめました。

はじめに

当記事では Cloud Digital Leader 試験を受験し、合格した際に利用したサイトや勉強方法、難易度などをまとめました。

IT資格を今まで取得したことがなかったり、今から手探りで勉強を始める方など、初学習者向けの記事ですので、是非参考にしてください。

Cloud Digital Leader の学習では、途中で挫折してしまわない為にも、以下の3つのステップが重要です。

  • STEP 1 : ITの基礎知識と頻出単語の理解
  • STEP 2 : 試験対策と反復学習
  • STEP 3 : 正答の傾向を掴む

当記事ではまず Cloud Digital Leader の試験の基本的な情報についてご紹介したあと、3つのステップに沿って学習方法をお伝えします。

試験について

Cloud Digital Leader とは

Cloud Digital Leader は IT 分野の基礎知識Google Cloud の基礎知識が問われる資格試験です。Google Cloud に携わるために、最初に取得を目指す資格です。

合格率60%前後と言われており、初心者向けの資格試験として難易度は比較的低いと言われています。しかし「IT分野の基礎知識」が無い受験者にとっては、ハードルの高い試験に感じてしまうかもしれません。

Google の試験概要によると以下のように記載されています。

Cloud Digital Leader は、Google Cloud の中核的なプロダクトやサービスの機能と、それらが組織にもたらすメリットを明確にできます。また、Cloud Digital Leader は、一般的なビジネス ユースケースや、クラウド ソリューションが企業をどのように支えているかを説明することができます。

当試験は Google Cloud の利用経験が前提条件とされていないという点が重要です。クラウドやGoogleプロダクト利用のための知識を広く得るための第一歩になる資格といえます。

試験概要と出題範囲

試験概要は以下のとおりです。

  • 試験時間 : 90分
  • 登録料 : $99
  • 言語 : 英語、日本語
  • 試験の形式 : 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式

試験範囲は公式サイトにて細かく記載されていますが、大きく分けて4つのセクションに分かれています。

  1. Google Cloud によるデジタル トランスフォーメーション(試験内容の約 10%)
  2. データと Google Cloud によるイノベーション(試験内容の約 30%)
  3. インフラストラクチャとアプリケーションのモダナイゼーション(試験の約 30%)
  4. Google Cloud のセキュリティとオペレーションの理解(試験内容の 30%)

学習の初期段階からセクションを意識した勉強はハードルが高いので、目を通す程度で問題無いです。

合格点は開示されていないため不明ですが、約7割程度の正答率で合格する方が多い傾向にあります。

難易度

前述の通り、一般的な IT 知識をすでに理解されている前提で問題は構成されています。

IPA の IT パスポート基本情報技術者試験を学習したことがない人にとっては、IT 基礎知識の学習から始めることになりますので、当試験の難易度は相対的に高くなります。

しかし認定ガイドに「Cloud Digital Leader の認定試験は特定の職に就いていることを条件とせず、Google Cloud の実務経験も必要ありません。」とある通り、基礎学習から進めても十分合格を目指せる資格とも言えます。

受験した感想

試験時間は、カツカツということはなく落ち着いて回答・見直しができる程度の余裕がありました。

試験終了後に仮の試験結果(合格・不合格)が表示され、後日正式に認定されるとデジタル認定証が登録メールアドレスに送付される流れです。

試験を終えてみて、無事に合格できて良かったものの、提供されている試験情報は多くありません。学習を始める取っ掛かりが乏しいことも「Cloud Digital Leader」の難しさと感じています。

受験方法

テストセンター

テストセンターでの受験が、最も基本的な受験方法です。オンサイト監視試験とも呼ばれます。

後述する遠隔監視オンライン受験は部屋全体を片付けて試験官に見せなければいけない、といった準備が大変そうでしたので、私はテストセンター受験を選択しました。

遠隔監視オンライン試験

遠隔監視オンライン試験は、自宅で受験できる受験方式です。

当社の社員が実際に受験した際の体験記もご参照ください。

blog.g-gen.co.jp

学習方法

当記事に記載するのは、実際に私が合格までに勉強した方法であり、一例です。

今後の学習の一助としてください。

STEP 1 : ITの基礎知識と頻出単語の理解

公式の試験ガイドで試験内容を把握

本試験の出題内容と出題範囲を認定試験ガイド で確認します。

学習初期ではこれらの文言のすべてを理解することは難しいかもしれません。最初のうちは試験の前提条件として目を通しておくレベルで問題ないです。

しかし、本試験がこの認定試験ガイドを元に作成されている以上、試験を受ける直前には一言一句、文章の意味を理解できるようになっておくと良いでしょう。

参考書で基礎知識を取得する

最初に手にしたのがこちらの書籍です。

書籍自体は全10章ありますので、1日に1章を読み進めることを目標に進めていきました。

読み進めるにあたってわからない単語やつまずいた文章などは必ずメモを取るようにしました。

実際のメモ(字が汚くてスミマセン)

私のようにアナログな方法でも、また Google Keep のようなデジタルで自分独自の単語帳を作ってもいいかもしれません。この際に重要なのは、単語の意味を理解せずに読み進めないことです。

各機能の役割や連携を完全に理解しないまま学習を進めることは、自ら知識の穴を作ることになってしまいます。

理解が難しいものや学習の手が止まった場合には、参考書を振り返る癖を付けておくと良いでしょう。

また、受験時には未発行だったものの、現在では以下の書籍「合格対策 Google Cloud認定資格Cloud Digital Leader テキスト&演習問題」が発行されています。Cloud Digital Leader 試験の参考書であり、基礎知識をカバーできます。

STEP 2 : 試験対策と反復学習

公式の試験ガイドで試験範囲を把握

書籍を一通り理解できたら、公式問題にトライしましょう。Google Cloud の公式ページから模擬試験を受けることが可能です。

模擬試験は20問で、本番と同じく4つの選択肢から正解を選ぶ選択式になっています。

試験の最後には問題の正誤確認と共にフィードバックを確認できます。間違った問題だけでなく正解した問題もきちんと解説を読むことで、理解が進みぐっと合格へ近づくことが出来ます。

また、この模擬試験から本番試験に出題されるケースも少なくなく、選択肢に挙げられたサービスについては、最低限その概要や特徴は理解しておくと良いでしょう。

外部学習サイト(Udemy)の利用

書籍での知識学習と公式試験での出題傾向がわかった後に、外部サイト(Udemy)にて模擬試験問題集を購入し試験対策を行いました。

この模擬試験は本番試験と同じく50問以上の試験が6セットあり、本試験よりも難易度が高めに設定されています。

本番試験に慣れておくことと、学習の穴を無くす為に何度も受講しました。

STEP 3 : 正答の傾向を掴む

模擬試験から正解の傾向を掴む

模擬試験の解説で、理解が足りない部分があれば書籍に戻り再学習します。

この辺りまで学習を進めていくと、サービスに適したユースケース(使われる場面)をイメージして学習が進められるようになっていると望ましいです。サービスや機能を利用することで「誰が」「なぜ」「どういうメリットがあるのか?」などを深く理解することが重要です。

試験での選択肢してとしても「A というサービスでも出題文の課題は解決できるが、Bというサービスを利用することが最も好ましい選択(ベストプラクティス)である」という場面が出てきます。

各機能の役割やメリットをしっかり学習することは本試験に役立てることができますし、のちに Google Cloud を実務で利用する場面でも、その知識が重要になります。

G-gen Tech Blog の利用

筆者の所属する G-gen 社は、G-gen Tech Blog ですべての Google Cloud 認定資格の試験対策記事を公開しています。

ややエンジニアに向けた内容となっていますが、STEP 3 まで学習を進めた方であれば、非エンジニアの方でも以下の記事の内容を理解できるようになっているはずです。

blog.g-gen.co.jp

また、Google Cloud プロダクト名を覚えるために、以下のような記事も役に立ちます。

blog.g-gen.co.jp

学習時間

個人によって学習ペースはそれぞれではありますが、一例として私の学習時間を掲載します。

私の場合、以下の表のように、合格までに費やした合計学習時間は約60時間でした。

実際には公式の模擬試験や Udemy などの外部模擬試験で7割程度の正答率になれば、本試験に通用する程度に理解が進んでいます。

学習項目 所要時間 内容
参考書での学習 10時間 ・各章1時間で読み進める
・わからない単語があればその都度メモを取る
・機能のイメージができない場合、前の章に戻り再度学習
メモへの転記と反復学習 10時間 ・忘れてしまう単語はスマホの待ち受けにするなど日常的に意識
・本試験までに1日1回はメモを見返すクセを付ける
公式の模擬試験 2時間 ・1回30分程度の模擬試験を、本試験までに4回以上実施
外部学習サイトの模擬試験 30時間 ・模擬試験を20回以上実施
・1回30分程度の模擬試験+振り返り学習30分程度
・80%以上の正答が取れるように学習
・フィードバック内容を正確に理解できるまで学習
試験ガイドの再確認 2時間 ・公式の試験ガイド、試験対策を再度読み込む

まとめ

Cloud Digital Leader は非エンジニアにとっては難易度が高く、学習量も多い試験です。しかし、Google Cloud の利用経験を前提としていないことから、しっかりと理解することで合格できる試験といえます。

学習の途中で挫折してしまわない為にも、以下の3つのステップが重要だと考えます。

  • STEP 1 : ITの基礎知識と頻出単語の理解
  • STEP 2 : 試験対策と反復学習
  • STEP 3 : 正答の傾向を掴む

本記事で紹介した内容が学習の手助けになれば幸いです。

溝口 直 (記事一覧)

ビジネス推進部 営業2課

2023年10月よりG-gen にジョイン。
HRサービスを展開するベンチャー企業から、Google専業の営業へ。関西在住でGoogle Cloudをメインに活動中。育児と仕事のバランスを常に模索中・・