G-gen の杉村です。生成 AI を使って Google Workspace における業務をサポートする Duet AI for Google Workspace をプレビューしてみましたので、その機能の一部をご紹介します。今回は Gmail 編です。
はじめに
Duet AI for Google Workspace とは
Duet AI for Google Workspace は、Google のコラボレーションソリューションである Google Workspace において生成 AI (Generative AI) を使って各種業務をサポートする機能です。以下のようなことが実現できるようになります。
- Google Docs (ドキュメント) : 文章の自動生成・フォーマル化・要約・精緻化・言い換え
- Gmail (メール) : E メールの自動生成・推敲
- Google Slides (スライド) : 自然言語を与えると画像を自動生成
- Google Sheets (スプレッドシート) : データの分析、ラベル割り当て、タスク計画の生成
- Google Meet (Web 会議) : バーチャル背景の生成
2023年8月現在では日本語版は提供されておらず、英語版のみです。
当記事の注意点
当記事では Duet AI for Google Workspace の先行テスタープログラム中に利用した機能をご紹介しています。以下の点にご留意ください。
- 当記事で紹介する Duet AI for Google Workspace の機能は先行テスタープログラム当時のものであり、今後変更になる可能性があります
- G-gen 社は検証目的でのみ Duet AI for Google Workspace を用いており、顧客業務には利用していません(検証当時)
文章の自動生成
Gmail で Duet AI を使った文章の自動生成を試してみます。
新規メール作成画面の下部メニューのアイコン一覧に、青い鉛筆マークが表示されています。クリックすると Help me write
というボタンが表示されます。
クリックすると、以下のように文章生成を指示するプロンプトが入力できます。
以下のようなプロンプトを入力し、Create ボタンを押下しました。
Invitation to an online meeting to discuss project details. Some date proposals. (プロジェクトの詳細を議論するためのオンラインミーティングへの招待。いくつかの日程候補も。)
Create ボタンを押すと、以下のように生成が始まります。
数秒待つと、以下のように文章が生成されました。
しっかりとEメールの体裁で、オンライン会議へ招待している旨と、候補日が生成されました (ただし日付候補日は2月や3月であり、検証時は2023年8月でしたので、そこは汲んでくれないようです)。
Insert ボタンを押すと、メールに文章が挿入されます。
挿入する前に Refine (推敲) ボタンを押すと、Formalize (フォーマル化)、Elaborate (引き伸ばす)、Shorten (短くする)、I'm Feeling Lucky (???。後述) の選択肢が表示されました。生成された文章をさらにアレンジすることができます。
フォーマルにする (Formalize)
先程の文章をフォーマライズ、すなわちさらに丁寧にしてみます。先程の4つのメニューから、Formalize を選択すると、しばらくして新しい文章が表示されました。
もともとの文章よりも言い回しが丁寧になっています。
もっとわかり易い例を試してみます。以下のような少しぞんざいな文章を書いて、これに対して Formalize を使ってみます。
すると、以下のように随分と丁寧になりました。自動生成した文章に対して Refine するだけでなく、このように自分で書いた文章に対する Refine も可能です。また、しっかりと E メールの体裁になっていることにもご注目ください。
文章を短くする (Shorten)
Shorten (短くする) を試してみます。先程 Formalize で生成された丁寧な長い E メールを、短縮してみます。
文章を長くする (Elaborate)
次は文章を長くする (Elaborate) ことを試してみます。
以下の文章を Elaborate してみます。
文章を引き伸ばしてくれたうえに、E メールの体裁に整えてくれました。
ただしご注意いただきたいのは、生成 AI 全般に言えることですが、必ずしも正しい情報に基づいて文章を生成してくれるとは限りません。Google Cloud Next 23 の正しい開催地は東京ビッグサイトですし、日付は2023年11月15日から16日です。あくまで Duet AI の機能は下書きや大枠の作成にのみ使用し、人間がその正しさを見極めて使いこなす必要があります。
I'm feeling lucky
さて、文章に対する Refine アクションとして I'm feeling lucky というものがありました。
先程の Google Cloud Next へのお誘いの文章に対して I'm feeling lucky を使ってみました。
ラップのリリックらしきものが生成されました。韻を踏もうと頑張っているらしきことが分かります (あまり上手くいっていないようですが)。
その後も何回か I'm feeling lucky を試してみました。詩的な言い回しであったり、ユーモアを含んだ文章が生成されます。どうやら、少し遊び心のある文章を生成する機能のようです。
I'm feeling lucky
は Google 検索の機能名でもおなじみです。検索結果一覧を表示せず、結果の一番目に出る Web ページへ直接アクセスする機能ですね。
その他の記事
Duet AI for Google Workspace のその他の機能を、以下の記事でもご紹介しています。
杉村 勇馬 (記事一覧)
執行役員 CTO / クラウドソリューション部 部長
元警察官という経歴を持つ現 IT エンジニア。クラウド管理・運用やネットワークに知見。AWS 12資格、Google Cloud認定資格11資格。X (旧 Twitter) では Google Cloud や AWS のアップデート情報をつぶやいています。
Follow @y_sugi_it