Cloud DNSをプロジェクト間で移行するときに困った話

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G-gen の杉村です。Google Cloud (旧称 GCP) のマネージドな DNS サービスである Cloud DNS で、先日困ったことが発生しました。同じことが起きたときに誰かの助けになるよう、顛末と解決法を記載します。

やりたかったこと

Google Cloud (旧称 GCP) のフルマネージドな DNS サービスである Cloud DNS で、あるドメインを管理しています。これを仮に example.com とします。

ある日、とある理由からパブリックゾーンである example.com を別の Google Cloud プロジェクトの Cloud DNS に移動する必要性が出てきました。

当初考えた移行方法は、以下の通りです。

  1. 移行先プロジェクトにパブリックゾーン example.com を作成する
  2. 移行元ゾーンから gcloud コマンドによりレコードの内容を エクスポート し、移行先ゾーンに インポート する
  3. お名前ドットコム側に、移行先ゾーンの新しい NS レコードを登録する

エラーメッセージ

しかしながら、先ほどの手順 1. で移行先プロジェクトにパブリックゾーンを作成しようとしたところ、以下のようなエラーメッセージが出てしまいました。

http://www.google.com/webmasters/verification/ で「(ドメイン名)」ドメイン(または親)の所有権を確認してから、もう一度お試しください

エラーメッセージ

このエラーですが、以下のような条件のときに出てしまうようです。

  • 既に Cloud DNS あるいは Google Domains でドメイン名の DNS を管理している
  • この状態で Cloud DNS に同じドメイン名のパブリックゾーンを作成する

うっかり英語版のエラーメッセージを取ることを失念していたのですが、 この公式ドキュメントに記載されている Verify ownership of the example.com domain (or a parent), and then try again. に該当しているようです。

解決方法

このエラーメッセージは、ドメイン名の悪用を防止するために Google の DNS で既に管理中のドメイン名について、パブリックゾーンが作成されたときに Google 側がドメインの所有権を確認するために出すメッセージです。

エラーメッセージにある http://www.google.com/webmasters/verification/ にアクセスし Google の ウェブマスター セントラル にてドメイン名を登録します。
ウェブマスター セントラル は Google 検索結果の順位の監視、管理、改善などのために Google によって提供されている Google Search Consoleの一部です。

ウェブマスターセントラル

プロパティを追加 を押下してドメイン名の登録を進めます。
ドメインの所有権の確認には、 Google の指定する HTML ファイルを同ドメインを持つウェブサイトにアップロードするなどの方法もありますが、ドメインのゾーンに TXT レコードや CNAME レコードを追加する方法が選択できます。

ドメイン名の所有権の確認

指示された TXT レコードを移行元ゾーンに登録して所有権を確認したところ、それ以降は移行先プロジェクトに同じドメイン名でパブリックゾーンを作成することが可能になり、無事 DNS ゾーンを移行することができました。

注意点

一連の作業は、同じ作業者の Google アカウントで実施する必要があります。

ドメイン名の所有権の確認は Google アカウントに紐付いているようですので、所有権を確認された Google アカウントでゾーンの作成等を行う必要があります。

杉村 勇馬 (記事一覧)

執行役員 CTO / クラウドソリューション部 部長

元警察官という経歴を持つ現 IT エンジニア。クラウド管理・運用やネットワークに知見。AWS 12資格、Google Cloud認定資格11資格。X (旧 Twitter) では Google Cloud や AWS のアップデート情報をつぶやいています。