Gemini Cloud Assist Investigationsを解説。AIエージェントでトラブルシューティング

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G-gen の杉村です。Google Cloud のトラブルシューティング AI エージェントである Gemini Cloud Assist Investigations について解説します。

Gemini Cloud Assist Investigations とは

Gemini Cloud Assist Investigations は、Google Cloud のトラブルシューティングを行う AI エージェントです。Google Cloud コンソール上で、Cloud Logging のログエクスプローラーや Cloud Monitoring アラートといった画面に表示される「調査」ボタンを押下するだけで、生成 AI が様々な要素を考慮に入れてトラブルの原因を調査し、原因や対策の提案をしてくれます。日本語ドキュメントでは「Cloud Assist の調査」と表記されることもあります。

当機能が行う調査は root-cause analysis(RCA、根本原因分析)と呼ばれ、ログ等の表面上から読み取れる情報だけでなく、設定情報やモニタリング指標など、さまざまな要素を統合してトラブルの原因を突き止めるものです。

対応サービスは BigQuery、Compute Engine、VPC、Cloud Run など多岐に渡ります。

2025年9月現在、当機能は Preview 中であり、料金は発生しません。また、調査結果は現在のところ英語で出力されます。

調査開始できる画面

Gemini Cloud Assist Investigations の調査は、Google Cloud コンソールの以下の画面から開始できます。

No 画面 手順
1 Cloud Assist Investigations コンソール上部の検索ボックスで Cloud Assist Investigations と入力し、専用の画面へ遷移。+ Create ボタンから新しい調査を作成。発生した事象を自然言語で入力することで、調査を開始できる
2 Cloud Logging ログエクスプローラー Cloud Logging のログエクスプローラー画面で、対応サービスに関連するエラーログのログエントリを展開し「調査」ボタンを押下して調査を開始
3 Cloud Monitoring アラート Cloud Monitoring アラートのアラート詳細画面で、対応サービスであれば表示される「調査」ボタンを押下して調査を開始
4 Gemini Cloud Assist チャットパネル Gemini Cloud Assist チャットパネルの右上の3点リーダーから「New Investigation」を押下して新しい調査を作成。発生した事象を自然言語で入力することで、調査を開始できる
5 Cloud Hub Cloud Hub の「健全性とトラブルシューティング」ページに表示される「調査を作成」ボタンを押下
6 特定のプロダクトページ内 対応サービスの場合、コンソール画面から調査を開始できる

調査の例

Cloud Logging ログエクスプローラー

以下のスクリーンショットは、Cloud Logging ログエクスプローラーから開始した、Gemini Cloud Assist Investigations の調査結果の例です。

ログエクスプローラーからの調査

Cloud Logging のログエクスプローラーで「調査」ボタンを押すと、1分ほどで Cloud Storage バケットへのアクセスが拒否されたエラーログの原因や、推奨される対策が表示されました。

バケットへのアクセスが拒否された原因として、IAM 権限の不足を示唆しており、解決方法として gcloud コマンドなどで IAM ロールをアカウントに付与することを提案しています。

Cloud Monitoring アラート

オープンした Cloud Monitoring アラートのインシデント画面からも、調査を開始できます。

以下は、Cloud Monitoring アラート(ログベースのアラート)により発報したインシデントの画面です。「調査」ボタンを押すと、数分後に結果が表示されました。

Cloud Monitoring アラートのインシデント画面

調査結果の表示

Cloud Assist Investigations

Cloud Assist Investigations の専用画面からも、調査を開始できます。この画面からの調査の場合、発生した事象をユーザーが自然言語で入力すると、それに基づいて AI が調査を行います。

新規調査の作成

このとき、トラブルが起きた時に行った操作や、表示されたエラーメッセージなどを、できるだけ詳細に書くことが望ましいです。また、トラブルの開始時刻や終了時刻も設定することで、AI による調査に役立ちます。

1分ほどの調査のあと、以下のように結果が出力されました。

調査結果の表示

利用準備

Cloud Assist Investigations の使用の前提として、プロジェクトで以下の API が有効化されている必要があります。

  • cloudaicompanion.googleapis.com
  • cloudasset.googleapis.com
  • cloudresourcemanager.googleapis.com
  • geminicloudassist.googleapis.com
  • logging.googleapis.com (推奨)
  • monitoring.googelapis.com (推奨)

また、調査を開始する操作者は、プロジェクトに対して、以下のロールが必要です。

  • Gemini Cloud Assist Investigation 作成者(ベータ版)(roles/geminicloudassist.investigationCreator

他にも、以下のようなロールで代替することができます。

  • オーナー(roles/owner
  • Gemini Cloud Assist Investigation 管理者(ベータ版)(roles/geminicloudassist.investigationAdmin

対応サービス

以下は、2025年9月現在の Gemini Cloud Assist Investigations の対応サービスです。

  • App Hub
  • Cloud SQL
  • Cloud Storage
  • Compute Engine
  • Google Kubernetes Engine
  • Cloud Networking
  • Cloud Run
  • Dataproc on Compute Engine
  • Google Cloud Serverless for Apache Spark
  • Pub/Sub
  • BigQuery
  • Bigtable
  • Cloud Composer
  • Dataflow
  • Spanner
  • Memorystore for Redis
  • Identity and Access Management
  • Cloud Quotas

注意点

Gemini Cloud Assist Investigations は、生成 AI が調査を行い、さまざまな情報を総合して原因の推察や解決方法の提案を生成する仕組みです。

生成 AI の出力結果は常に正しいとは限らず、誤った情報を生成することもあります。例えば、存在しない組織のポリシーの制約を挙げて原因であると推察する、などの事象があり得ます。AI の出力結果を完全に信じるのではなく、人間の技術者による調査をあわせてトラブルの原因をつきとめ、対処を行ってください。

特に、環境に変更を与える可能性のある設定変更やコマンドラインの提案を受けた場合は、実行する前に、十分に人間による確認と調査を行うことが推奨されます。

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執行役員 CTO

元警察官という経歴を持つ IT エンジニア。クラウド管理・運用やネットワークに知見。AWS 認定資格および Google Cloud 認定資格はすべて取得。X(旧 Twitter)では Google Cloud や Google Workspace のアップデート情報をつぶやいています。