動的グループを使ってGoogleグループの管理を効率化してみた

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G-gen の三浦です。当記事では、Google Workspace の動的グループを使用し、Google グループのメンバー管理を自動化する方法を紹介します。

概要

動的グループとは

動的グループとは、Google Workspace のユーザー情報(役職や勤務地など)に基づいて、メンバーを自動的に管理できる Google グループです。

組織の異動や変化に対応し、管理作業の自動化と効率化を実現します。

使用例 説明
属性ベースの分類 ユーザーの役職や勤務地などの属性に基づいて、メンバーが自動で追加・更新されます。人事異動などに応じた柔軟なグループ管理ができます。
2段階認証(2SV)ベースの分類 2段階認証を無効にしているユーザーのみで構成されるグループです。セキュリティ要件を満たさないユーザーの特定・通知に利用できます。

制約事項

動的グループは、以下の特定の Google Workspace エディションでのみ利用できます。

  • Frontline Standard
  • Enterprise Standard / Plus
  • Education Standard / Plus
  • Enterprise Essentials Plus
  • Cloud Identity Premium

上記に加えて、動的グループではユーザーを手動で直接変更(追加・削除)できず、変更する場合は動的グループの条件修正が必要など、いくつかの制約があります。

詳細は以下の公式ドキュメントをご参照ください。

検証内容

検証手順は次のとおりです。

項番 内容 説明
1 動的グループの検証(ユーザーの属性ベース) ユーザーの「役職」が Manager のユーザーを対象に、該当ユーザーが自動的に追加・削除されることを確認します。
2 動的グループの検証(2段階認証が未登録のユーザー) 2段階認証が未登録のユーザーのみを対象に、該当ユーザー(未登録者)が自動的に追加・削除されることを確認します。

検証

動的グループの検証(ユーザーの属性ベース)

設定

GWS の管理コンソール(URL : https://admin.google.com)にログインします。

[ディレクトリ] > [グループ] > [動的グループを作成] を選択します。

動的グループを作成を選択

[Condition] で以下を選択し、[プレビュー]を選択します。

  • 標準の属性:役職
  • 演算子:Equals
  • Value:対象の役職名を選択

なお、ここで指定する条件の詳細については以下ドキュメントをご参照ください。

条件の設定とプレビューの選択

対象のユーザーが存在する場合、以下のように表示されます。

プレビュー結果の確認

ユーザーの属性値

表示内容を確認し、[動的グループを作成] を選択します。

動的グループを作成を選択

以下の項目を入力し、[保存] を選択します。

  • グループ名:グループ名を入力
  • グループのメールアドレス:メールアドレスを入力

動的グループの作成

作成したグループが表示され、メンバーとして先ほどプレビューで確認したユーザーが登録されていることを確認します。

動的グループの作成確認

動的グループのメンバー確認

動作確認

[ディレクトリ] > [ユーザー] で、前手順で確認したユーザーを選択し、役職属性を削除して保存します。

役職属性の削除

動的グループを確認し、属性を削除したユーザーがメンバーでないことを確認します。

メンバーの削除確認

次に他のユーザーを選択し、役職属性を追加して保存します。

役職属性の追加

動的グループを確認し、属性を追加したユーザーがメンバーとして表示されていることを確認します。

メンバーの追加確認

動的グループの検証(2段階認証が未登録のユーザー)

設定

[ディレクトリ] > [グループ] > [動的グループを作成] を選択します。

動的グループを作成を選択

[Condition] で以下を選択し、[プレビュー]を選択して対象を確認し、[動的グループを作成] を選択します。

  • 標準の属性:2段階認証プロセス登録済み
  • 演算子:Equals
  • Value:False

Trueを指定することで、2段階認証が登録済みのユーザーをグループ化できます。

条件と動的グループを作成を選択

以下の項目を入力し、[保存] を選択します。

  • グループ名:グループ名を入力
  • グループのメールアドレス:メールアドレスを入力

動的グループを作成

作成したグループのメンバーとして先ほどプレビューで確認したユーザーが登録されていることを確認します。

動的グループのメンバー確認

動作確認

前手順で確認したユーザーの2段階認証を有効化します。

2段階認証の有効化

グループのメンバー情報をスプレッドシート形式でエクスポートし、2段階認証を有効化したユーザーが登録されていないことを確認します。

メンバー情報のエクスポート

エクスポート結果の確認

三浦 健斗(記事一覧)

クラウドソリューション部

2023年10月よりG-genにジョイン。元オンプレ中心のネットワークエンジニア。ネットワーク・セキュリティ・唐揚げ・辛いものが好き。