Google Workspaceアカウント間でGmailデータを移行する

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G-gen の荒井です。当記事では「データの移行(新規)」機能を使用して、Google Workspace アカウント間でメールデータを移行する方法をご紹介します。

機能の概要

データの移行(新規)」は、Google Workspace のアカウントの Gmail データを、自組織内または別組織の Google Workspace アカウントへ移行するための機能です。

当機能の公開前は、メールデータ移行のための公式ツールは存在せず、ユーザーごとに個別に対応する必要がありました。

以下のようなユースケースが想定されます。

  • 企業の合併による Google Workspace 組織の統廃合
  • グループ会社へ出向等による Google Workspace 組織間でのデータ移行

当機能の詳細な仕様は、以下の公式記事を参照してください。

仕様と制約

移行タイミングと対象データ

当機能では、データ移行処理を実行したタイミングで保持されているメールアイテムが移行されます。

移行完了後に送受信したメールが継続的に移行されるわけではありません。

また、一度移行が完了した後に再度、移行を実行する場合、差分移行を行うことが出来ます。そのため、一度移行が完了したデータが重複して移行されることはありません。

制約

当機能では、Google Workspace 所属するアカウント間でのみ、移行が可能です。フリーの Gmail アカウントからのメールデータ移行には使用できません。

また、一度に移行できるアカウント数は 100 アカウントまでです。

移行手順

概要

移行手順は以下のとおりです。

  • 手順1 : コンソールへアクセス
  • 手順2 : 委任リクエストを送信
  • 手順3 : 委任リクエストの確認
  • 手順4 : 委任リクエストを承認
  • 手順5 : 委任承認の確認
  • 手順6 : csv アップロード
  • 手順7 : 移行設定
  • 手順8 : 移行の実行

手順1 : コンソールへアクセス

移行先組織での作業

特権管理者権限ユーザーで「データの移行 (新規)」 の画面へアクセスします。

https://admin.google.com/ac/migrate/googleworkspace

手順2 : 委任リクエストを送信

移行先組織での作業

データ移行先組織から移行元組織に接続するため、移行元組織の特権管理者へリクエストを送信します。 移行元メールアドレス と表示されいているテキストボックスに、移行元 Google Workspace 組織の特権管理者メールアドレスを入力して 承認をリクエスト をクリックしてください。

手順3 : 委任リクエストの確認

移行元組織での作業

手順2 で設定した移行元組織の特権管理者のメールボックスに届いた移行リクエストメールを確認します。

View authorization request をクリックし、管理コンソールに遷移します。

手順4 : 委任リクエストを承認

移行元組織での作業

委任リクエスト承認のダイアログボックスで 承認 をクリック

承認した内容が表示されます。

承認した内容の詳細については、ドメイン全体の委任 ページで確認することができます。

管理コンソール > セキュリティ > 概要 API の制御 > ドメイン全体の委任 > ドメイン全体の委任を管理

Data Migration (New) が今回承認したリクエストです。

手順5 : 委任承認の確認

移行先組織での作業

移行先組織では 承認を確認 ボタンが表示されているため、クリックし承認状況を確認します。

承認が確認されると 接続を解除 ボタンが表示されます。

接続を解除 はクリックしません。

手順6 : csv アップロード

移行先組織での作業

サンプル csv をダウンロードし、インポート用 csv ファイルを作成します。

作成した移行元・移行先アカウント情報を入力した csv ファイルをアップロードします。

csv ファイルは以下の通り必要情報を入力します。

項目 パラメータ
Source GUser 移行元メールアカウント
Target GUser 移行先メールアカウント

※ 最大 100 アカウントまで一度に移行可能です。

手順7 : 移行設定

移行先組織での作業

移行するデータのオプションを設定します。

項目 パラメータ
メールの開始日 指定した日付以降のメールデータを移行します。
削除済みメールを移行する 移行元アカウントのゴミ箱に格納されたメールアイテムも移行します。
迷惑メールを移行する 移行元アカウントの迷惑メールに格納されたメールアイテムも移行します。
特定のラベルを移行対象から除外する 特定のラベルが付与されたメールアイテムを移行対象から除外します。

手順8 : 移行の実行

移行先組織での作業

移行準備が完了したら 移行を開始 をクリックし、データ移行を開始します。

移行中はステータスが表示されています。

移行完了したら、移行先メールアカウントのメールボックスを確認し移行完了です。

荒井 雄基 (記事一覧)

クラウドソリューション部

オンプレ環境のネットワーク・サーバーシステムを主戦場としていたが、クラウド領域にシフト。
Google Cloud 認定資格 7冠
現在は Google Workspace を中心に企業の DX 推進をサポート。
最近頑張っていることは、子どもがハマっている戦隊モノの踊りを踊れるようになること。