生成AI活用を進めるゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)が Google Cloud で実現したい未来(Google Cloud Next Tokyo '25セッションレポート)

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G-gen の奥田です。当記事は、Google Cloud Next '25 Tokyo の1日目に行われたブレイクアウトセッション「生成AI活用を進めるゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)が Google Cloud で実現したい未来」のレポートです。

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セッションの概要

本セッションでは、ゴルフダイジェスト・オンライン社(以下、GDO社)のデータに関する課題と、その解決策としての Looker が紹介されました。

GDO 社の概要

GDO 社は「ゴルフで世界をつなぐ」をミッションにゴルフに関する以下のサービスを展開しています。

  • ゴルフメディア
  • ゴルフ用品販売
  • ゴルフレッスン
  • ゴルフ場予約
  • ゴルフ練習場事業
  • スコア管理

また、2024年には生成 AI を活用した PoC(概念実証)を開始しました。

データ活用による課題

GDO 社は、データ活用において以下3点の課題があると発表しました。

1.データカオスの発生

データ抽出には SQL の知識が必須であったため担当者が限定され、ビジネスユーザーへのデータ提供が滞るボトルネックが生じていました。この状況を解消するため各部署が個別の BI ツールや基幹システムを導入した結果、かえってツールが乱立してしまい、部署をまたいでデータを分析する際には都度データ定義のすり合わせが必要になる、といった課題がありました。

2. データの民主化

SQL の知識が必要なデータ抽出が、社内でのデータ活用の属人化を招いていました。この課題に対し、自然言語で誰もがデータにアクセスできる「データの民主化」を推進する必要がありました。その解決策として Gemini in Looker の機能である 会話型分析(Conversational Analytics) の導入により、自然言語でのデータ集計・検索・可視化を目指すとしています。

3. 生成 AI の活用

GDO 社では生成 AI を組み込んだサービスを2024年からラボ型開発組織で実装し、エンドユーザーに向けてテストを始めており、以下の取り組みが紹介されました。

対話型予約 AI

ゴルフ場予約サービスに導入し、主にゴルフ初心者のユーザーに向けてゴルフ場を選ぶためのアドバイスをするチャットボットを使用しました。 チャットボットは商品マスタと口コミを学習しており、パーソナルな提案を実現しました。

Looker での解決

セッションの後半では、Google Cloud よりこれらの課題に対する Looker を用いた解決策が紹介されました。

セマンティックレイヤー

セマンティックレイヤーを用いることで、部署毎に異なっていたデータの定義を統一できることが紹介されました。セマンティックレイヤーは、元となるデータをビジネスユーザーやAIが理解できる言葉に変換する層のことで、Looker では LookML という言語を用いて構築します。

このセマンティックレイヤーによって信頼性が担保されたデータ基盤が、ビジネス成果に繋がります。Looker 上のデータを元にターゲットの選定やマーケティング施策の立案ができますが、そのためには信頼できるデータ基盤が不可欠です。本セッションでは、信頼できるAI 基盤の構築には、まず信頼できるデータ基盤が必要であることが強調されました。

生成 AI が情報を分析する上でもセマンティックレイヤーは重要です。セマンティックレイヤーで定義を明確にすることで、生成 AI からのレスポンスのエラーを最大で3分の2削減できると発表しました。

Explore Assistant

データの活用が進むほど、社内特有の用語や要望に答える必要があります。 そのための解決策としてオープンソースの Explore Assistant が紹介されました。

Explore Assistant については、以下の記事で詳しく解説しています。blog.g-gen.co.jp

Dashboard Summarization

また、ダッシュボードの要約が必要な際に活用できる、オープンソースの Dashboard Summarization も紹介されました。

Dashboard Summarization については、以下の記事で詳しく解説しています。

blog.g-gen.co.jp

GDO 社による生成 AI 活用の取り組み

『GDO 店員さん AI』

前述の対話型予約 AI の様な、 顧客がゴルフを楽しむための全ての体験をサポートする AI を導入することを目指します。

カスタマーパーソナライズDB

顧客の属性ゴルフのプレー履歴といった情報だけでなく、ライフスタイル閲覧メディアなどの個人情報も一括管理するデータベースを構築し、広告の強化や購買促進に繋げることを目指します。

GDO 社は、製品情報や顧客情報管理をさらに強化するため、今後も Looker を活用していきたいと述べました。

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Google Cloudの可能性に惹かれ、2024年4月G-genにジョイン。
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