【AppSheet初心者向け】業務改善アプリ作成のメリットと開発時のポイント

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G-genの小林です。当記事では、備品発注アプリを例にして、AppSheet でアプリ作成のメリットアプリ開発時のポイントを解説します。

備品発注を Excel から AppSheet に置き換えたら?

小売業の会社様を想定して「店舗から備品発注申請を行う。それを受けて本社総務部が備品の一括発注を行う。店舗が備品を受け取る」という業務を AppSheet でアプリ化します。

店舗の備品発注アプリの申請に以下のような Excel を使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

備品発注申請書サンプルExcel

その場合のフローはこんな感じになります。

Excelの場合の業務フロー

これを AppSheet でアプリ化してみると以下のようなアプリになります。

備品発注アプリメニュー画面

備品発注アプリ店舗別集計画面

AppSheet に置き換えた場合の業務フローはとてもシンプルになります。

AppSheetでアプリ化した場合の業務フロー

AppSheet でアプリ化するメリット

上記のような備品発注アプリを AppSheet でアプリ化した場合、以下のようなメリットが考えられます。

発注はスマートフォンからボタンポチポチ

Excel での発注申請の場合、PC を利用する必要があります。

しかし AppSheet ではスマートフォンのモバイルアプリとしての提供が可能なため、アプリをスマートフォンから利用できます。

自動で集計処理

Excel で備品申請を受け取り、備品の一括発注を行う際、店舗ごとの Excel を確認して集計を行っている本部スタッフの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

AppSheet の場合、事前にアプリで集計の設定を行うことが出来ます。

以下は備品別の集計画面ですが、ガムテープは7つ、ショップバッグは7つ、ビニールテープは2つ発注しなければならないことが分かりますね。

備品発注アプリ備品別集計画面

フィルタリング簡単!アプリでの見せ方は自由自在

備品発注アプリでは、備品別集計画面と店舗別集計画面を作成しました。

  • 備品別集計画面 : 本社総務部担当が備品発注を行う場合に利用する画面
  • 店舗別集計画面 : 店舗担当者がどの備品を申請したか確認する画面 / 備品が本社に到着した後本社が店舗に郵送するため分別するときに利用する画面

この他にも、備品カテゴリー別や注文金額別などの表示も可能です。業務に応じた画面の見せ方が出来ます。

ここまでの説明で AppSheet でアプリ化したいと思った方向けに、ここからはアプリ開発時のポイントを解説します。

AppSheet アプリ開発の疑問4選

データソースはどうすればいいの?

テーブルとは

AppSheet でアプリを作る場合、最初に考えるべきポイント。それはデータの格納先です。

初めてアプリを作成する場合は、スプレッドシートをデータソースとすることがおすすめです。スプレッドシートの一つのシートがそのまま AppSheet のデータを格納する「テーブル」になります。

今回の備品発注アプリで作成したテーブル (スプレッドシートのシート) は以下の4つです。

  • 備品マスタ
    • 備品一覧を管理するテーブル
  • 店舗マスタ
    • 発注する店舗一覧を管理するテーブル
  • 備品発注データ
    • 備品注文データを格納するテーブル
  • メニュー画面(UXを作りながら作成したテーブル)
    • アプリ上でホーム画面とするためのテーブル。

まずは上記の3つのアプリを作成する上で必要な項目のためのシートを作成して、そのシートから AppSheet アプリを作成することで簡単にアプリの作成ができます。

アプリ作成時点のSpreadsheet

型の設定

AppSheet でアプリをする際、まずは (Type) の設定を見ましょう。型とは、テーブルのデータ形式のこと。

例えば、日付情報にはテキスト型ではなく日付型を設定します。テキスト型だと10/3と入力する人もいれば、R5/10/03と入力する人もいて、データ管理が煩雑化する要因となってしまいます。日付型を設定していれば、2023/10/03 と入力することを強制することが出来ます。

型には複数の種類があるので、アプリ開発時に改めて確認してください。以下はたくさんある型の一例です。

  • Price : 金額
  • Image : 画像
  • Ref : 別テーブルのカラム情報を取得する

テーブル設定

View (UX) はどうやって設定するの?

テーブルが設定できたら、次は画面の作成です。データの入力画面、データの確認画面など、基本的な画面は作成済みの場合もあります。

作成済みの画面を使って変更を加える形で画面を作成しても大丈夫ですし、新規で画面を作り始めても OK です。

備品発注アプリでは、備品別集計画面と店舗別備品集計の画面を作りました。基本的な設定は同じですが、GROUP BY という特定の値に応じたグループ分け表示の設定で見せ方を変えています。

備品別集計では備品 ID 別にグループ分け、店舗別備品集計では店舗 ID 別にグループ分け、という設定です。

また、Group aggregate というグループごとの簡単な集計機能もあり、合計値や平均値、MAX 値 / MIN 値等を設定可能です。

Group by / Group aggregate

メニュー画面はどうやって設定するの?

メニュー画面を作りたい!そう思っても、ホーム画面をいい感じに作る設定項目が見当たらない。

そう、メニュー画面を作るためにもテーブルが必要なんですね。

  • スプレッドシートでテーブル作成
    • 遷移用の画面の名前、アイコンの設定
  • Action でボタンを押すと、テーブルで設定された遷移用の画面に飛ぶように設定
  • Setting の View → General から Starting view をメニュー画面に設定

メニュー画面の作り方は複雑なので、別の記事でまとめたいと思います。

画像の利用方法は?

アプリに備品画像を入れたい。そんな場合は Google Drive に画像を格納して、格納した画像への URL を値として登録する必要があります。

この場合、前述の「型」を Image にすることも忘れずに!

備品発注アプリでは、備品写真というフォルダを作り、画像を格納し、備品レコードに画像の在り処を設定しています。

備品画像ドライブ

備品マスタイメージ

小林 あゆみ (記事一覧)

クラウドソリューション部 営業チーム

AWSエンジニアからGoogle Cloud営業に転向

福井からリモートワーク中

趣味はMonkey125でツーリング、Netflix鑑賞、旅行