Google Workspaceへの段階的な移行が可能!?一部ユーザーのみを移行する方法。

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G-genの鈴木ことすずたつです。

Google Workspaceなどをトライアルで利用はしてみたものの、メールが実際どう送受信されるか、実際の運用とは違うからイメージがわかない。
段階的にユーザーをGoogle Workspaceへ移行したいが方法がわからない。
など思ったことはありませんでしょうか?

とはいえ、MXレコードを新しいGoogle Workspace側に向けてしまうと既存のメールに影響がでるし・・・

ということで今日はトライアルで利用した、もしくは一部のユーザーのみGoogle Workspaceのメール環境を本番同様に利用するための方法について解説いたします。

※MXレコードとは
メール配送用のドメインレコード。本レコードを向けた方向にメールが送信される
例:MXレコードがg-gen.co.jpの場合にxxxx@g-gen.co.jpにメールが正しく送信されます。

一部ユーザーのみの移行とは?

そもそもなぜこのような一部移行が必要になるのでしょうか?まずは通常のメールルーティングの仕組みを簡単に説明させていただきます。

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メール送信の仕組み

上記のように、メールを送信するとDNSサーバーにチェックが入り、そのDNSサーバーが@の後ろをチェックしてメールを送信先メールサーバーに届き、受信者に正しくメールが送信される。 という仕組みになります。

では例えば段階的にGoogle Workspaceに移行したい場合どうなるでしょうか? 本番のドメインが@g-gen.co.jpであった場合に、ほかに利用可能なドメインを利用して登録するとメールアドレスが本番とは異なってしまい、本番運用となかなか言えない状態に。 かといって本番ドメインを利用して、MXレコードを切り替えてしまうと全員分のメールがGoogle Workspaceに送信されることになってしまいます。

このような状況を回避し、一部のユーザーはいままで通りの方法でメールを送受信、一部のユーザーはGoogle Workspaceでメールを送受信が可能な環境を構築する方法に関して解説いたします。

前提条件

一部ユーザーのみを移行する前提条件として「既存のメールサーバーが受信したメールを指定アドレスに自動転送可能であること」があげられますので、ご注意ください。 この条件が必要な理由としては、以下のような設定が必要となるためです。
(1)本番ドメイン (XXXX@g-gen.co.jp)でメールを受信
(2)受診したメールをGoogleWorkspaceに自動転送

設定方法

前述の環境を実現するステップとしては以下になります。
・Google Workspaceの申し込み(この時に、本番環境のドメインを入力。)
・TXTレコードを利用して、ドメインの所有権の確認
 ※この時絶対にMXレコードはいじらないでください。
・既存メールサーバー上で、移行対象のユーザーのメール転送設定を行う。
事項より詳細を説明いたします。

Google Workspaceの申し込み

以下のURLよりトライアルをお申込みください。パートナーからの購入でも問題ありません。 お申込みの際にドメインの入力画面で、本番環境のドメインを入力してください。 ※G-genの場合には@g-gen.co.jp この時点ではメールがGoogle Workspaceにルーティングされることはありません。

Google Workspace のお申し込み

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Google Workspace申し込み画面(ドメイン登録)

ドメインの所有権の確認

ログイン直後に以下の画面になりますが、こちらではMXレコードを利用したドメインの所有権の確認のため、絶対に実施しないでください。

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ログイン直後の画面

かならず左上の[ メインメニュー>アカウント>ドメイン>ドメインの管理 ]から開く、以下の画面からTXTレコードを利用して実施してください。

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ドメイン所有権の確認画面

以下の画面からTXTレコードを利用した所有権の証明を実施してください。

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TXTレコードを利用した所有権の確認

所有権の証明が終わり以下のような画面になればGoogle Workspace上での設定は完了です。「Gmailを有効にする。」をクリックして設定を実施してください。 その際、「MX レコードの設定をスキップ」を必ず選択してください。

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ドメインの所有権確認済み画面

メールの転送設定

現時点ですでにGoogle Workspace上でメールの送受信が可能です。本番ドメインがg-gen.co.jpの場合、Google Workspace上のメール送受信は以下のような状態になります。
メール送信:XXXX@g-gen.co.jp
メール受信:XXXX@g-gen.co.jp.test-google-a.com

お客様のメールサーバー上の設定にて該当ユーザーが受信したメールを上記の受信可能なメールアドレスに転送する設定をします。
上記の例の場合には
・XXXX@g-gen.co.jpでメールを受信。
※ただしこの時点では旧メール環境でメールを受信してしまう。
・XXXX@g-gen.co.jpに来たメールをXXXX@g-gen.co.jp.test-google-a.comに転送。

設定が完了すると以下のような環境になり、転送設定を行ったGoogle Workspaceを利用しているユーザーはGoogle Workspaceでメールを送受信。 転送設定をしていないユーザーはいままで通りの方法でメールを送受信することが可能です。

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一部ユーザーのみメール環境の移行

これで一部ユーザーのみの移行設定は完了です。 今回はGoogle Workspaceで記載しましたが、原理としては他のクラウドサービスでも実施可能ですので、トライアル等でクラウドサービスを利用してみたい方はご検討ください! また、ちょっと技術的に難しくて・・・という方はG-genにお気軽にお声がけください。

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鈴木 達文 (記事一覧)

執行役員 COO ビジネス推進部 部長

基本、なんでも屋。主にビジネスの立ち上げや仕組みづくりが好き

日々、努力。日々、楽しむことを大事に

 

Professional Cloud Architect / Professional Workspace Administratorのみ保持していますがそろそろ失効してしまいそうな予感。