Google WorkspaceのFrontlineエディションを解説!

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G-genの渡邉@norryです。皆さん、コラボレーションツールのGoogle Workspaceは利用されていますか?全社でGmailを利用したいけれど、現場スタッフの全員にライセンスを割り当てるには料金が...利用する端末どうしよう...どうやって契約すればいいの...などといったお悩みはありませんか?当記事では、そういった方に向けて Google Workspace Frontline をご紹介します。

Google Workspaceとは?

Google Workspaceの公式サイトには「あらゆる働き方に対応する生産性向上とコラボレーションのツール。」とあり、また従業員の生産性=チームx会社の文化=コミュニケーション+コラボレーションと言い換える事が出来ます。組織のコミュニケーションとコラボレーションを下支えし促進するツールがGoogle Workspaceです。

Google Workspace には費用の異なる複数のエディションが存在します。詳しくは以下の記事をご参照ください。

blog.g-gen.co.jp

Frontlineエディションについて

Frontlineエディションとは

Google Workspace の Frontline エディションとは、第一線で活躍する現場スタッフ向けのエディションです。なお、Frontline(フロントライン)とは「前線」を意味する英単語です。

他のエディションと比較して機能制限はあるものの、比較的安価にライセンスを購入することができます。

また Frontline エディションには Frontline StarterFrontline Standard の2種類が存在します。Starter が基本となるエディションであり、Standard は Starter の機能に加えて、セキュリティ管理機能を強化したエディションです。

現場スタッフの定義

Google Workspace Frontlineを利用可能な「現場スタッフ」の定義は以下になります。

  • 不特定多数の人に直接対応して、サービスやサポート、商品販売を行う
  • 製品やサービスの製造、配送に直接携わる
  • 戦力の大部分を構成し、業務遂行にはスピードと共同作業が重要である

該当する具体的な現場スタッフの例は、以下です。

  • 製造業の組み立て作業員
  • レストラン、接客業、小売業のスタッフ
  • 農業、漁業、林業の従事者
  • 建設作業員
  • 主に屋外で作業するスタッフ
  • コールセンターや交通機関のオペレーター

利用可能なサービス

価格や利用人数の制限などは、以下の表のとおりです。比較のため、2種類の Frontline エディションのほか、Business Starter〜Plus エディションも表に加えています。なお、表記価格は年契約の場合の1ユーザーあたりの月額料金(定価)です。

Frontline
Starter
Frontline
Standard
Business
Starter
Business
Standard
Business
Plus
基本情報月額料金(1ユーザーあたり※税別)*520円1,360円680円1,360円2,040円
利用可能人数無制限無制限1〜300名1〜300名1〜300名
ストレージ容量5G5G30GB2TB5TB
24時間365日の電話サポート

利用可能なコアサービス(主要機能)は、以下の表のとおりです。こちらでも同様に、比較のため、2種類の Frontline エディションのほか、Business Starter〜Plus エディションも表に加えています。

Frontline
Starter
Frontline
Standard
Business
Starter
Business
Standard
Business
Plus
コアサービスGmailとカレンダー
ビジネス向け Google グループ
ChatとChatスペース
ドライブ ストレージとドキュメント エディタ
Meet によるビデオ会議
ディレクトリ管理
Cloud Searchによるドメイン内検索
AppSheet(Core ライセンス)
高度なセキュリティおよび管理機能エンタープライズ エンドポイント管理
データ損失防止(DLP)
コンテキストアウェア アクセス
Google Vault
Cloud Identity Premium

Frontline Starter / Standard エディションでは、基本的な機能はほぼ利用できるといって良いでしょう。

Frontline Starter ではデバイス管理において「基本のエンドポイント管理」「高度なエンドポイント管理」が利用できます。一方の Frontline Standard では「エンタープライズエンドポイント管理」が利用可能となっており、現場スタッフが利用するにあたって、より高度な統制(ガバナンス)とセキュリティを効かせる事が可能です。

また Frontline Starter / Standard エディションでは、AppSheet(Core ライセンス)が利用可能であり、現場での業務改善アプリが容易に作成可能であるという点にも注目です。

注意点

また Frontline Starter / Standard エディションでは、以下の制限に注意が必要です。

  • 「共有ドライブ」の作成機能は無いが、すでに作成されている共有ドライブに参加する事は可能
  • Frontline ユーザーは組織内の共有ドライブのフォルダは閲覧のみ可能(フォルダ単位・ドライブ単位では編集権限を付与できない)
  • 1ユーザーあたりのメール、ドキュメント、写真の保存容量は5GB
    • Google Chat に投稿した写真は上記容量には含まれない
  • Cloud Searchを使った横断的な検索ができない

特に、組織内の共有ドライブには閲覧権限しか付与できない、という点には注意が必要です。このことからも、Frontline エディションは、あくまで現場スタッフに特化したライセンスのため、ドライブ上のファイルの主要な管理者としては想定されていないことがわかります。

契約に際しての注意点

ユースケース審査

特性上、Frontline を契約する場合には Google 社の要件に沿っているかが Google によって審査されます。

Google Cloud 社と直接契約の場合には Google Cloud 社が直接審査を実施します。パートナー経由で利用している場合にはパートナーが Google Cloud 社と協議いたします。

Frontline のユースケースに合致していると判断された場合のみ、契約が可能となります。

エディション混在のみで利用可能

Frontline エディション 単体での契約は不可 であり Frontline + 別エディション のように混在した形でのみ契約が可能です。例えば Business Standard + Frontline などです。

ただし Frontline 以外のプランに関しては、例えば Business StandardとBusiness Starter 等のように複数のエディションやプランを混在させて契約する事はできないのでご注意ください。

契約期間と支払い

Frontline を契約するにあたって、契約期間と支払いは以下の通りです。混在して契約する Frontline 以外のエディションもあわせて以下が適用されますのでご注意ください。

  • ライセンス数を定めた年間契約 (12ヶ月間)
  • 契約締結翌月の月初に請求書発行・翌月末に 12 ヶ月分をまとめて支払
  • 年途中でユーザーを追加する場合は、残月分を前払い
  • 現在の契約次第では手続きに 2〜3 週間かかる場合がある

申込み方法

上記の注意点を見てもわかるとおり、現在の環境や契約形態によって考慮すべき要素が多い為、経験ある販売パートナーに相談することが推奨されます。

当記事を執筆した株式会社 G-gen のお問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

go.g-gen.co.jp

G-gen では Google Workspace や Google Cloud(旧称 GCP)を割引価格で提供しています。既に Google Cloud や Google Workspace をご利用中の方も、新規に利用開始を検討している方も、お気軽にご連絡ください。

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渡邉 宣之 (記事一覧)

クラウドソリューション部

データ分析基盤の構築、クラウド管理運用やネットワークが守備範囲、Google Workspace 活用推進中、Google Cloud 認定資格は4資格保持

週末フォトグラファーで、観葉植物や塊根植物にハマってます。