クラウドの種類(SaaS・PaaS・IaaS)を解説

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インターネット上でソフトウェアや開発環境などを提供するクラウドサービスは、ユーザーのカスタマイズできる範囲の自由度によって、SaaS、PaaS、IaaSの3種類に分類されます。それぞれのサービスの基本的な情報や、メリットやデメリット、注意点について解説します。

クラウドの基礎知識を身につけ、業務をよりスムーズに進行させるためのヒントにしてください。

クラウドサービスとは

クラウドサービスとは、サーバーやネットワーク、ソフトウェアなどの IT リソースを、ネットワークを経由して利用できるサービスのことです。これらは従来であれば、企業が独自に構築し、所有する必要があったものです。

総務省の「令和3年版 情報通信白書」によると、2020年の段階でクラウドサービスを利用している企業は約7割にのぼります。ほとんどの企業が、なんらかの形でクラウドサービスを利用していることが分かります。

※参考:令和3年版 情報通信白書|総務省

クラウドサービスは大まかに、SaaS、PaaS、IaaS の3種類に分類することができます。この3種類は、クラウド提供事業者がどのレイヤまでを提供しているかによって分類されます。

クラウドの種類

SaaSとは

SaaS (サース : Software as a Service) は「サービスとしてのソフトウェア」を意味する言葉です。ネットワーク経由でソフトウェアを提供するもので、SNSや電子メール、ブログサービス、顧客管理ツール (CRM) などのなじみ深いツールがSaaS形式で提供されています。多くの場合で、Webブラウザを通して利用します。

システム基盤を意識する必要がないことに加え、従来であれば必要であったソフトウェアの購入やインストールといった手間も不要です。必要とするサービスを手軽かつスピーディに利用できます。

PaaSとは

PaaS (パース・パーズ : Platform as a Service) は「サービスとしてのプラットフォーム」を意味します。ネットワークを経由してサーバーやOS、ミドルウェアなどを提供するサービスで、主にアプリケーションの動作基盤として利用されます。

従来、アプリケーションを開発・公開するためには、サーバーを物理的にセットアップし、ミドルウェアをインストールしたりバックアップを設定するなどシステム基盤の領域にも取り組む必要がありました。PaaSではこれらが予めサービスとして提供されているため、ユーザーはアプリケーション開発に集中することができます。またアプリケーション公開後も、基盤運用が不要である点も魅力です。

IaaSとは

IaaS (イアース・アイアース : Infrastructure as a Service) とは「サービスとしてのインフラ」を意味する言葉です。コンピューターの基礎である、インフラ(ネットワークやサーバー、ストレージ、CPUなど)を提供します。IaaSは高いカスタマイズ性を持つため、企業の情報システム全体のIT基盤を構築する際に利用されることが多くなっています。

ハードウェアを自社で所有する必要がなく、多くの場合で利用時間に応じた従量課金のため、柔軟にリソースを増減することが可能です。また自社ネットワークとIaaSを専用線やインターネットVPNで接続して組み合わせて利用する「ハイブリッドクラウド」も一般的です。

SaaS・PaaS・IaaSのメリット

SaaSのメリット

SaaSのメリットは、導入コストが低いことです。また、サービスを提供している事業者が運用と保守の大部分を担うため、管理コストを抑えることができます。

また従来のソフトウェアを利用する場合は、多くの場合で利用者の端末にソフトウェアをインストールしたり、また自社ネットワークに配置したサーバーへの接続性を確保する必要がありました。これに対してSaaSは、インターネットに接続でき、Webブラウザを備えたPC環境であれば、どこからでもサービスを利用できます。

PaaSのメリット

PaaSも同様に、初期コストや運用コストが抑えられます。自社で専用のアプリケーションを開発したい場合に、インフラの各種非機能要件の実現をサービス側に任せられるのがメリットです。

また、導入後はすぐにアプリケーションの開発に取り組めるため、開発にかかる時間を大幅に短縮できます。開発後に基盤のスペックを増減させることも容易なため、無駄な費用が発生せず、ビジネスの規模にフィットした環境を用意できます。

IaaSのメリット

IaaSでは、自社でITリソースを所有し管理や運用をするオンプレミスに匹敵するほどの、自由度の高いIT基盤環境を構築できます。一方でオンプレミスとは異なり、物理機器のメンテナンスや障害対応の必要はなくなります。

またオンプレミスの場合、将来の業務規模拡大を予め見越したスペックのサーバーやストレージを購入する必要がありました。一方で従量課金制のIaaSは、現時点で必要な容量だけを利用でき、あとから容易に拡張することができます。

SaaS・PaaS・IaaSのデメリット

SaaSのデメリット

SaaSで利用できるソフトウェアは事業者によって構築されているため、企業独自の事業形態などに合わせたカスタマイズや外部のソフトウェアとの連携は難しいこともあります。

また、ソフトウェアをオンプレミスで所有する場合と異なり、サービスのメンテナンスの時間は事業者によって決められてしまいます。

PaaSのデメリット

PaaSでは、アプリケーションの開発に必要なサーバー、OS、ハードウェアといった開発環境がパッケージで提供されます。このため、開発に利用する言語やデータベースの種類などについては、提供されている選択肢の中から選ぶ必要があります。事業やアプリケーションの種類によっては、意図した内容での開発が難しい場合もあります。サービスの仕様によりアーキテクチャが限定されるため、事前によく確認しましょう。

IaaSのデメリット

IaaSはオンプレミスに匹敵する高い自由度を持ちます。このため、OSやミドルウェア、アプリケーションについては、インストールから管理まで、全てユーザー側が対応しなければならない点がデメリットとしてあげられます。

利用するにはオンプレミスと変わらない専門知識が要求されるため、IaaSの導入には事前にインフラ担当要員の確保が必要です。

クラウドサービスを使う注意点

情報消失のリスクに備える

クラウドであってもオンプレミスと同様に、システムの物理障害や論理障害が原因でデータが消失する可能性があります。このため、導入前に必ず、サービス事業者が用意しているバックアップ機能の内容を確認し、自社の情報を保護する方法を把握し、適切な設定を実施しましょう。必要によっては、オプションサービスなどを利用することも検討します。

また、BCP計画を適切に策定し、災害などの際にも事業が継続できる体制を整えることも重要です。

信頼できるサービスを選ぶ

クラウドサービス導入時には、利用したいサービスの事業者がどのように災害や障害、不正アクセスなどの対策をとっているのか確認しましょう。

信頼性の目安となるのが、各クラウドサービスが取得している第3者機関からの認証規格です。代表的なものに、情報セキュリティマネジメントに関する国際規格である「ISO27001」やクラウドセキュリティに関する国際規格「ISO27017」などがあります。

セキュリティファーストな施策

情報漏洩や消失のリスクを最大限に減らすための施策を練りましょう。事業者が提供しているセキュリティ機能について確認し、自社の情報データが適切に保護されているか常に点検をします。

また、従業員が利用するツールが変わる場合、従業員にも改めてセキュリティ教育を施しましょう。

まとめ

クラウドサービスはサーバーやネットワーク、OS、ソフトウェアなどをネットワーク経由で利用できるようにするものです。提供されるレイヤに応じて、SaaS・PaaS・IaaSの3種類に分けられます。自社でITインフラを構築・所有するよりもスピーディに導入でき、運用コストも抑えられるメリットを持ちます。

一方で、導入時には、サービスのセキュリティの信頼性やサポートの範囲などを把握しておく必要があります。業務をよりいっそう効率化させるためにも、自社に合ったクラウドサービスの導入を検討しましょう。

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株式会社G-genは、サーバーワークスグループとして「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」をビジョンに掲げ、2021年よりクラウドの導入から最適化までを支援しているGoogle Cloud専業のクラウドインテグレーターです。