Google Cloud 認定資格の一覧を解説。全部で何個ある?難易度は?

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G-genの荒井です。当記事では Google Cloud 認定資格をご紹介します。Google Cloud を仕事で取り扱う方、興味があって調べている方向けに資格の概要をご紹介しますので、どんな資格が自分に必要か見定めて資格取得を目指していただければと思います。

はじめに

Google Cloud 認定資格とは

Google Cloud 認定資格とは、Google Cloud に関する公式の認定資格です。Google Cloud に関する知識やスキルが評価されます。2024年10月現在、Google Cloud 認定資格には11個の試験があります。

またテクノロジー分野ごとに資格が用意されているため、Google Cloud テクノロジーを使用した特定業務の遂行能力も評価対象となります。そのため、資格を取得することでその分野における知識・スキルを保持していることが証明できます。

詳細は以下の公式ドキュメントをご参照ください。

認定資格のメリット

Google Cloud 認定資格を取得すると、以下のようなメリットがあります。もちろん一番は自身の知識・スキル向上ですが、その他にもたくさんの特典があります!

  • 社内外から信頼をおかれ、重要な業務や役割を任せてもらえる
  • 知識・スキルが向上し、自信が持てる
  • Google Cloud 認定資格ディレクトリに登録される
  • 有資格者だけが参加できる Google Cloud Certified コミュニティへ参加できる
  • Google Cloud をはじめ、クラウドに関連した仕事に就きやすくなる
  • Google の限定グッズが手に入る

限定グッズ

Google Cloud 認定資格 では、Professional レベルの資格を取得すると無料の特典を受け取ることができます。特典の中には非売品の Google 限定グッズもあります。

一例として以下のように、ステッカーやフリースなどがあります。時期によりグッズ内容や在庫状況などが変わるので、毎回楽しみですね!

Google Cloud 認定資格の種類

Google Cloud 認定資格には、どのようなものがあるか確認してみましょう。

認定資格は Foundational(基礎)、Associate(アソシエイト)、Professional(プロフェッショナル)の3段階に別れており、全部で11種類あります。

Foundational レベル

Cloud Digital Leader

Cloud Digital Leader 試験は、Google Cloud に関する最も基礎的な資格です。推奨の実務経験期間などはありません。

Google Cloud を理解するための最初のステップとして最適な資格であり、エンジニアでない方も取得を目指せます。

以下の記事で、難易度や試験対策方法について詳細に解説していますので、ぜひご参照ください。

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また、以下は G-gen 社のセールスメンバーが当試験を受験した体験記です。非エンジニアが当試験を勉強するためのヒントにしてください。

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G-gen のエンジニアが発行した以下の書籍「合格対策 Google Cloud認定資格Cloud Digital Leader テキスト&演習問題」は、Cloud Digital Leader 試験の参考書です。こちらも、参考にしてみてください。

Associate レベル

Associate Cloud Engineer

Associate Cloud Engineer 試験では、Google Cloud の基礎スキルが評価されます。クラウドエンジニアの出発点となる資格です。

公式ガイドには「Google Cloud での構築経験 6 か月以上を推奨」と記載されていますが、必ずしもそれを満たしていなくてもチャレンジできる資格です。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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Professional レベル

Professional Cloud Architect

Professional Cloud Architect 試験は、Google Cloud や関連テクノロジーに関する、設計、実装、管理に必要な高度なスキルを保持していることを示す資格です。

IT インフラとアプリケーション開発に対する、バランスの取れた知識が求められます。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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Professional Cloud Developer

Professional Cloud Developer 試験は、Google 推奨の手法を理解して、スケーラブルで高可用なアプリケーションを開発できるエンジニアであることを示す資格です。

クラウドネイティブなアプリ、開発者ツール、マネージドサービス、次世代データベースの使用経験が求められます。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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Professional Data Engineer

Professional Data Engineer 試験は、データの収集、変換、可視化など、データエンジニアリングに関する技能を持つエンジニアであることを示す資格です。

データ処理システムの設計、構築、運用、セキュリティ保護、監視に加え、機械学習に関する問題も出題範囲です。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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Professional Cloud DevOps Engineer

Professional Cloud DevOps Engineer 試験は、Google Cloud でアプリ開発を行ったり、 CI/CD パイプラインを構築したり、サービス監視・インシデント管理など、IT サービスを安定稼働させるためにはどうすればよいかといった知見が求められます。

Google の提唱する SRE(サイト・リライアビリティ・エンジニアリング)がその根底にあります。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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Professional Cloud Security Engineer

Professional Cloud Security Engineer 試験は、Google Cloud 上で安全なインフラを設計、実装するできるエンジニアであることを示す、セキュリティに特化した認定資格です。

ネットワークセキュリティ、アプリケーションセキュリティ、認証認可、監査証跡等に関する知識が求められます。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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Professional Cloud Network Engineer

Professional Cloud Network Engineer 試験は、Google Cloud のネットワークアーキテクチャに関する深い知見が求められる資格です。

Google Cloud のネットワーク系サービス、コンテナ(GKE)に関するネットワークキング、ハイブリッドクラウド等に関する知見が求められます。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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Professional Google Workspace Administrator

Professional Google Workspace Administrator 試験は、Google Workspace(旧称 GSuite)の導入や運用に関する知見を求められる認定資格です。

Active Directory と連携した認証・認可やシングルサインオンなど、企業 IT の周辺知識も求められます。

なお当試験は、2022年4月29日より以前は Professional Collaboration Engineer 試験 と呼称されていましたが、名称変更されました。

また、2024年10月22日には後継資格である Associate Google Workspace Administrator 試験の Beta 版が申し込み可能になり、近く Professional レベルの当試験は廃止されることが発表されています。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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Professional Machine Learning Engineer

Professional Machine Learning Engineer 試験は、Google Cloud の AI/ML 系サービスを活用して、ビジネス課題を解決するための機械学習モデルの設計、構築、利用を推進できる 機械学習エンジニア であることを示す資格です。

機械学習モデルのアーキテクチャ、データパイプラインの相互作用、およびメトリックの解釈に熟達している必要があります。

Google Cloud の試験ではありますが、Google Cloud の知識に加えて、機械学習に関する知見が深く求められる試験です。机上の理論だけでなく比較的実践的な知識も求められるため、難易度は高いものとなっています。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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Professional Cloud Database Engineer

Professional Cloud Database Engineer 試験は、Google Cloud におけるデータベース系サービスの知見を問う試験です。Professional Data Engineer 試験がデータエンジニアリングに関する知識を問う試験であるのに対し、当試験は運用データベースに関する知識を問います。

アプリケーションからのデータへのアクセスユースケースに応じて適切なデータベースサービスを選定・設計し、管理・トラブルシューティングなどを行うことができることを示す資格です。

Cloud SQL、Firestore、Bigtable、Spanner 等に関する知見が求められます。反対に BigQuery など分析系データベースに関する出題はありません。

試験対策方法は以下の記事をご参照ください。

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ルール・受験方法

言語・試験時間・料金

現在、一部の試験は日本語では受験できません。全資格を制覇するには、一部の試験を英語で受験する必要があります。また受験料は $(USD)での支払いになります。

区分 資格名 試験時間 受験料 言語 試験場所
Foundational Cloud Digital Leader 90分 $99 日本語/英語 テストセンター/オンライン試験
Associate Cloud Engineer 2時間 $125 日本語/英語/スペイン語/ポルトガル語 テストセンター/オンライン試験
Professional Cloud Architect 2時間 $200 日本語/英語 テストセンター/オンライン試験
Professional Cloud Developer 2時間 $200 日本語/英語 テストセンター/オンライン試験
Professional Data Engineer 2時間 $200 日本語/英語 テストセンター/オンライン試験
Professional Cloud DevOps Engineer 2時間 $200 日本語/英語 テストセンター/オンライン試験
Professional Cloud Security Engineer 2時間 $200 日本語/英語 テストセンター/オンライン試験
Professional Cloud Network Engineer 2時間 $200 日本語/英語 テストセンター/オンライン試験
Professional Google Workspace Administrator(旧称:Collaboration Engineer) 2時間 $200 日本語/英語 テストセンター/オンライン試験
Professional Machine Learning Engineer 2時間 $200 英語 テストセンター/オンライン試験
Professional Professional Cloud Database Engineer 2時間 $200 英語 テストセンター/オンライン試験

※ 受験料は税別

受験場所

Google Cloud 認定資格は、オンラインでの受験も可能となっています。オンラインでの受験については、当社のメンバーが受験記を書いていますのでそちらも参考にしていただければと思います。

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オンサイトでの試験は、日本全国に提携試験会場があり、パソコンを使った受験となります。

なお福岡県近辺の方向けですが、テストセンターへの行き方などもあります。試験会場が中々見つけづらいようなので、参考にしていただければと思います。

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有効期限

Google Cloud 認定資格には、原則2年間の有効期限が設定されており、更新が必要となります。

試験の詳細で特に示されていない限り、Google Cloud のすべての認定資格は認定を受けた日から 2 年間有効です。認定資格を維持するには、再認定を受ける必要があります。認定資格が有効期限切れになる 90 日前、60 日前、30 日前に更新通知が届きます。

ただし Cloud Digital Leader と Associate Cloud Engineer の有効期間のみ、3年間です。

再試験

もしGoogle Cloud 認定試験に不合格となってしまったら、再試験ポリシーに則って再度受験することができます。

Cloud Digital Leader 試験は、1年間に10回まで受験できます。もし試験に不合格となった場合、再受験まで14日のインターバルを空ける必要があります。

Associate レベルと Professional レベルの試験には、以下のようにインターバルが設定されています。

受験回数 再受験までのインターバル
1回 2回目の再試験までに14日間のインターバルが必要
2回 3回目の再試験までに60日間のインターバルが必要
3回 4回目の再試験までに365日間のインターバルが必要

Associate レベルと Professional レベルの試験の場合、受験回数は2年間で最大4回まで、という制限があります。受験がオンサイトかオンラインかにかかわらず、受験回数にカウントされます。

資格取得の順番

Google Cloud 認定資格では「Aの資格を取得しないと、Bの資格を取得できない」といったような資格取得の順番指定はありません。いきなり Professional レベルの試験を受験しても構いません。

とはいえ、 Google Cloud の知識を順当に身につけていくためには、おすすめの順番があります。

エンジニアであれば、Associate Cloud Engineer 試験から始めるのが推奨されます。Associate Cloud Engineer → Professional Cloud Architect → その他の Professional 試験、という順番で受験することで、順を追って Google Cloud 活用の知見が身につけられます。

一方、エンジニアとしてではなく、経営目線やバックオフィス目線で Google Cloud を捉える必要のある方は、Cloud Digital Leader に挑戦 することが適切だと言えます。

番外編

Professional ChromeOS Administrator

Professional ChromeOS Administrator 試験は、Google の提供するコラボレーションツールである Google Workspace や ChromeOS デバイスの運用、管理に関する知識を問う試験です。

Google Cloud の公式ブログで紹介されているものの、Google Cloud 認定試験一覧の公式ページには記載されておらず、Google 関連試験ではあるが Google Cloud 認定試験の扱いにはなっていません。

以下の記事で詳細に解説していますので、ご参照ください。

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廃止された試験

Looker LookML Developer

Google の提供するデータプラットフォームツールである Looker における開発 (LookML) に関する知見 を問う認定資格です。

当試験は2022年4月1日をもって終了しました。参考までに、以下の記事で、どんな試験だったのかを確認することができます。

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Looker Business Analyst

Google の提供するデータプラットフォームツールである Looker のビジネスユースに関する知見を問う認定資格です。

当試験は2021年12月31日で廃止となりました。

荒井 雄基 (記事一覧)

クラウドソリューション部

オンプレ環境のネットワーク・サーバーシステムを主戦場としていたが、クラウド領域にシフト。
Google Cloud 認定資格 7冠
現在は Google Workspace を中心に企業の DX 推進をサポート。
最近頑張っていることは、子どもがハマっている戦隊モノの踊りを踊れるようになること。