NotebookLM無償版・Pro・Enterpriseの違い

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G-genの杉村です。Google の AI を活用したリサーチ・ライティングアシスタントである NotebookLM の各エディション(無償版、Pro 版、Enterprise 版)の違いについて詳しく解説します。

NotebookLM とは

NotebookLM は、ユーザーがアップロードしたドキュメントやデータ(ソース)に基づいて、AI が質問応答、要約、アイデア生成などを行うリサーチ・ライティングアシスタントです。従来の検索エンジンや Gemini アプリとは異なり、NotebookLM はユーザーが提供した情報源のみに基づいて回答を生成するため、情報の信頼性をコントロールしやすい点が特徴です。

NotebookLM には無償版、Pro 版、Enterprise 版の3エディションがあります。当記事ではそれらの違いを解説します。

NotebookLM

NotebookLM のエディション

NotebookLM には、2024年6月現在、以下の3つのエディションがあります。

名称 説明
NotebookLM(無償版) 基本的な機能を無料で使える個人ユーザー向けエディション。Google アカウント(Gmail アカウント)を作成すれば利用できる。
NotebookLM in Pro 利用上限が緩和された有償エディション。Google Workspace に付帯。個人でも Google AI Pro サブスクリプションを購入することで利用可能。旧称 NotebookLM Plus
NotebookLM Enterprise 企業向けにセキュリティ、管理機能、サポートを強化した有償エディション。Google Cloud 上で提供される。

これらのエディションは、利用できる機能、扱えるデータ量、料金、セキュリティ機能などに違いがあります。以下で各エディションの詳細と比較を解説します。

なお、NotebookLM in Pro は以前(2025年5月頃)までNotebookLM Plus と呼ばれていました。個人向けサブスクリプションのプラン名が Google AI Pro に変更されたのに伴い、NotebookLM Plus は NotebookLM in Pro へと改名されました。

エディションの比較

各エディションの主な違いを以下にまとめます。以下の表は、2025年6月現在の英語版公式ドキュメントの情報に基づいています。

比較観点 NotebookLM (無償版) NotebookLM in Pro NotebookLM Enterprise
料金 無料 Google Workspace のほとんどのエディションに付帯。 もしくは個人向けサブスクリプションである Google AI Pro に付帯 1ユーザーあたりの月額有償ライセンス (年間コミットあり)
主な対象ユーザー 個人 ・企業や組織
・制限なしで NotebookLM を使いたい個人
企業や組織
最大ノートブック数 100 個 500 個 500 個
ノートブックあたりソース数 50 個 / ユーザー 300 個 / ユーザー 300 個 / ユーザー
処理回数制限 チャットクエリ : 50回
音声概要生成 : 3回
チャットクエリ : 500回
音声概要生成 : 20回
チャットクエリ : 500回
音声概要生成 : 20回
サポートするファイル形式 Web サイト、PDF、テキストファイル、Markdown、Google ドキュメント、Google スライド、YouTube、音声ファイル、画像ファイル、Microsoft Word ファイル (docx) 等 無償版と同様 無償版と同じファイル形式に加えて Microsoft PowerPoint (pptx)、Excel ファイル (xlsx)
データ保護 モデルのトレーニングには使用されない。フィードバックを提供することを選択した場合、人間の審査担当者が内容を確認し、サービス改善に利用する場合がある。 どのような場合でもモデルのトレーニングには使用されない。人間のレビュワーにも閲覧されない。 どのような場合でもモデルのトレーニングには使用されない。人間のレビュワーにも閲覧されない。顧客データは顧客 Google Cloud プロジェクト内で管理される。
アクセス管理 個人アカウント Google Workspace アカウント (Google AI Pro サブスクリプションの場合個人アカウント) Google Workspace アカウントもしくは Entra ID など外部 IdP アカウント
セキュリティ 標準的なアクセス制御 Google Workspace 管理画面で組織部門ごとに利用許可・禁止 ・IAM によるアクセス制御
・VPC Service Controls によるきめ細かいアクセス制御
ノートブックの共有 個人 Google アカウントまたはインターネット全体に共有可能 同じ組織の Google アカウントまたはグループに共有可能(個人アカウントで Google AI Pro サブスクリプションを契約している場合は、個人 Google アカウントに対してのみ共有可能。またインターネット全体に共有可能) 同じ Google Cloud プロジェクトの NotebookLM Enterprise ユーザーにのみ共有可能
新機能の展開 最速 次点 最後

どのエディションを選ぶべきか

選択の基準

上の表で見たように、各エディションで利用回数やノートブック数、データソース数の上限や、セキュリティ機能、共有可能な範囲に違いがあります。

概ねの判断として、個人ユーザーであれば NotebookLM(無償版)または NotebookLM in Pro(Google AI Pro サブスクリプション経由で購入)を選び、企業等のユーザーであれば、統制が効く NotebookLM in Pro または NotebookLM Enterprise を選択します。

企業等の組織が、NotebookLM in Pro と NotebookLM Enterprise のどちらかを選ぶかについては、実施したい機能差セキュリティと統制の度合いコストなどを考えます。

機能差

重要な点として、NotebookLM に新機能が展開される場合、まずは無償版(コンシューマー版)、次に in Pro 版(Google Workspace 版)、最後に Enterprise 版と展開されるため、NotebookLM Enterprise では最新機能が使えないケースもある点に留意してください。

詳細は後述の「新機能の展開」の項を参照してください。

ただし、NotebookLM Enterprise では、無償版では読み取り不可能な Microsoft PowerPoint ファイルや Excel ファイルの読み取りが可能であるなど、一部の機能差異も存在します。

セキュリティと統制

無償版の NotebookLM は、エンタープライズグレードのデータ保護が適用されず、また管理者による統制機能が存在しないため、企業での利用には不適切です。

NotebookLM in Pro(Google Workspace 版)はエンタープライズグレードのデータ保護が適用される他、管理者による一部の挙動制御が可能です。

NotebookLM Enterprise は Google Cloud と統合されていることで最も統制機能が充実しており、IAM による詳細なアクセス制御や、VPC Service Controls を用いた IP アドレスベースの制御など、追加の統制機能が提供されています。

コスト

NotebookLM in Pro はほとんどすべての Google Workspace エディションに追加コストなしで付帯しているため、安価に NotebookLM の機能を使用したい場合に選択肢となります。

一方の NotebookLM Enterprise は、Gemini Enterprise(横断検索および AI エージェントを提供する Web サービス)と統合されたライセンスが購入可能です。生成 AI をフル活用した業務改善を行う際は、NotebookLM Enterprise は有力な選択肢となります。

その他の注意点

新機能の展開

NotebookLM に新機能が追加される際、最も先に展開されるのは、無償版の NotebookLM です。無償版で一般消費者が十分に機能を利用して、フィードバックや利用傾向に関する情報が得られてから、機能は次に NotebookLM in Pro(あるいは Google Workspace 版)に展開されます。

NotebookLM Enterprise に機能が展開されるのは最も遅く、数カ月のラグがある場合もあります。この展開時期に関する公開情報はありません。

まずは無償版あるいはコミュニティ版の製品に新機能を展開し、次いでよりミッションクリティカルな業務に製品を利用しているであろうエンタープライズ版に機能が展開されていくような傾向は、Linux ディストリビューションなどでも見られ、ビジネスインパクトのコントロールや関連機能の十分な整備のためには合理的な流れです。

ノートブックの共有可否

個人アカウントで NotebookLM(無償版)もしくは NotebookLM in Pro を使っている場合は、個人アカウントに対してのみ、ノートブックの共有が可能です。Google Workspace の組織に所属するアカウントに対しては、ノートブックを共有できません

Google Workspace アカウントを使っているユーザーは、同じ組織(Google Workspace ドメイン)で NotebookLM in Pro を使っているユーザに対してのみ、ノートブックの共有が可能です。

NotebookLM Enterprise のユーザーは、同じ Google Cloud プロジェクトに紐づく NotebookLM Enterprise のユーザーに対してのみ、ノートブックの共有が可能です。また、共有先のユーザーは同じ Workforce Identity Pool(IdP 間連携の設定)に所属している必要があります。

無償版、in Pro、Enterprise のノートブックは相互に共有することはできません。

また、ノートブックをインターネットに公開できるのは、2025年10月初旬現在、無償版 NotebookLM と、個人アカウントで Google AI Pro サブスクリプションを購入している場合の NotebookLM in Pro のみです。

アクセス URL

無償版と in Pro の NotebookLM は、いずれも https://notebooklm.google.com/ からアクセスします。この URL にアクセスすると、無償版の Google アカウントでログインしている個人ユーザーであれば NotebookLM(無償版)が開き、Google Workspace ユーザーや Google AI Pro サブスクリプションのユーザーであれば、NotebookLM in Pro が開きます。

一方で、NotebookLM Enterprise はアクセス URL が異なります。NotebookLM Enterprise へのアクセス方法は2つあります。

  1. Gemini Enterprise の画面から遷移する
  2. 専用のアクセス URL へアクセスする

1つ目の Gemini Enterprise の画面から遷移する方法は、Gemini Enterprise の左側のメニューから NotebookLM をクリックするだけです。

Gemini Enterprise の画面から遷移

2つ目の方法である NotebookLM Enterprise のアクセス専用 URL は、管理者によって Google Cloud コンソールから発行できます。Google Cloud コンソールで、検索テキストボックスに「NotebookLM」と入力するとサジェストされる「NotebookLM for Enterprise」画面に遷移すると、URL を発行できます。

URL がうまく発行できないときのトラブルシューティングについては、以下の記事末尾の「トラブルシューティング・参考情報」の見出しを参照してください。

杉村 勇馬 (記事一覧)

執行役員 CTO

元警察官という経歴を持つ IT エンジニア。クラウド管理・運用やネットワークに知見。AWS 認定資格および Google Cloud 認定資格はすべて取得。X(旧 Twitter)では Google Cloud や Google Workspace のアップデート情報をつぶやいています。