G-gen の荒井です。Google Cloud 認定資格はテストセンターで受験する他、オンラインで自宅からでも受験することが可能です。当記事ではオンライン受験前の準備や、受験時のポイントを紹介します。
はじめに
Google Cloud 認定資格
当記事では、Google Cloud 認定資格をオンラインで受験する場合の準備や、受験時のポイントを紹介します。
Google Cloud 認定資格の詳細については、以下の当社記事を参考にしてください。
オンライン受験のメリット・デメリット
オンライン受験にはメリットとデメリットがあります。それぞれ確認して、オンライン受験がご自身にとってメリットがあるかどうか確認してください。
メリット
- 場所を選ばずに受験できる
- 試験日時の選択肢が広い
- 移動時間や交通費が削減できる
- 慣れた環境でリラックスして受験できる
- 予約変更・キャンセルが比較的容易にできる
デメリット
- 部屋の片付けなど、場所を用意する必要がある
- 自身でPCなどの設備を用意する必要がある
- ネットワークトラブルなどのリスクがある
- テスト開始まで試験官との確認時間が長く、すぐに開始ができない
メリットの中で特に大きいのが「場所を選ばずに受験できる」点です。テストセンターは首都圏などには多くありますが地方都市では限られていますし、テストセンターがない都道府県もあります。そのためオンライン受験は地方都市在住の受験者にとって、心強い選択肢です。
大きいデメリットとして「部屋の片付けなど、場所を用意する必要がある」が挙げられます。オンライン試験の受験前には、デスク周りや部屋を、試験に適した状態にするよう試験官から要求されます。また試験中、受験者の顔や部屋の様子は Web カメラで監視されます。デスク周りの物品や部屋のレイアウトを、適した状態に変更する労力が必要になります。
試験の予約
CertMetrics での予約
CertMetrics にログインして、試験予約を行います。予約時は以下について注意してください。
試験言語
試験予約時、試験の言語を選択することが可能です。任意の言語を選択してください。認定資格の種類によっては日本語が選択できない試験もあります。詳細は以下の記事を参照してください。
試験種別
試験予約画面では、オンライン試験だけでなくオンサイト試験の予約も可能です。試験種別を間違えないよう、予約時はしっかり確認をしてください。
予約日時
オンライン受験は前述した通り柔軟に日時設定が可能であり、深夜でも受験することができます。予約の際は、AM・PM の時間指定を間違えないように気をつけます。
環境の準備
家族へ試験日時の連絡
自宅でオンライン受験する場合、受験中に家族が部屋に入ってくるなどのトラブルも発生しかねません。家族には予め試験日程を伝えたり、部屋の外に貼り紙などをして試験日時を家族に伝えてください。また試験中にインターホンなど鳴らないよう、通販の荷物到着日や訪問者の予定を確認してください。
試験中に上記のような事態が発生した場合、試験が停止してしまう場合があります。
端末の準備
オンライン受験を行うには、PC が必要です。PC は、Windows、Macintosh、Chromebook(機種指定あり) のいずれかでなければなりません。
PC は会社所有ではなく、個人所有など業務に関係のない端末の使用が指定されています。会社所有端末ではシステム設定やネットワーク設定についてポリシー管理されているケースがあるため、オンライン試験に必要な設定ができない場合があります。
PC の筐体について指定はありませんが、Web カメラ付きのノートパソコンが推奨されます。
詳細は後述しますが、受験時に部屋の中を Web カメラで撮影するステップがあります。その際 Web カメラを移動させたり色々な方向に向ける必要があります。デスクトップ PC で有線の Web カメラを使用していると、ケーブルの長さの制限により、試験官が指定した場所の撮影ができず進行に支障が出ることがあります。
Web カメラの準備
Web カメラを用意します。Web カメラが内臓されているノートパソコンの場合、そのまま使用して問題ありません。また実際に起動できるか、事前にWeb カメラのテストも行ってください。
普段使用しないため Web カメラの機能をオフにしている場合、システム設定だけでなく、筐体横などにある物理スイッチの確認も行いましょう。デスクトップ PC での受験を考えている方は、外付け Web カメラのケーブルが十分に引き出せるか確認します。試験開始時に Web カメラを持って部屋の中を投影する必要があります。
マイクの準備
マイクを用意します。PC がノートパソコンの場合、内臓されているケースが多いです。実際にマイクが使えるか事前にテストを行っておきましょう。デスクトップ PC での受験を考えている方は、外付けマイクの用意をします。
セキュリティブラウザのインストール
試験を受ける際は、LockDown Browser というセキュリティブラウザを使用する必要があります。CertMetrics から Webassessor にログインし、LockDown Browser をインストールします。
受験する部屋の片付け
受験を行う部屋の片付けは最重要ポイントであり、要件が厳しく指定されています。片付けるポイントは、以下のとおりです。
- 受験時に着席する場所から、手の届く範囲に不要なものがないこと
- デスク周りのペンやバッグに注意
- ディスプレイなどは見えないよう覆います
- ホワイトボードは消すか覆います
- 壁やデスクにある付箋などのメモを取り除きます
生活の都合上どうしても片付けが難しい場合、不要なものが少ない風呂場などで受験するケースも見られます。どうしても受験環境が構築できない場合、テストセンターでの受験を検討します。
- 参考 : オンライン試験の事前チェックの準備方法
身分証の用意
受験開始時に身分証の提示を要求されるため、身分証も用意します。運転免許証でも問題ありませんが、試験官は日本人でない場合が多いため、英語の記載があるパスポートが推奨されます。
OS アップデート
受験当日に、再起動を伴う OS アップデートなどが発生した場合、予約時間に試験を開始できない場合があります。アップデートは受験日までにすべて済ませておきましょう。
受験当日の準備
受験する部屋の片付け
受験当日は、最後の片付けを行います。不要なものがある場合、試験が開始できません。改めて以下のポイントを確認し片付けを行います。
- 受験時に着席する場所から、手の届く範囲に不要なものがないこと
- ペン立てがある場合、ペンを抜いておきます
- デスクの下などにバッグがある場合、移動します
- 何も入っていなくても、コップは移動します
- ディスプレイなどは見えないよう覆います
- ホワイトボードは消すか覆います
- 壁やデスクにある付箋などのメモを取り除きます
- 手の届かない場所であれば(背面側の壁など)、書籍などがあっても問題ありません
以下は、筆者が受験した際の環境です。参考にしてください。
こちらは、普段のデスクです。
こちらが、受験時のデスクです。ディスプレイやガジェットは紙で覆って見えなくしています。
コップは中身がなくても指摘されます。試験エリア外に除外します。
ペンも全て抜いて、試験エリア外に除外します。
バッグはデスクの内側にあった際、指摘がありました。可能な限り、試験エリア外に除外します。
スマートフォンの通知設定
試験中はスマートフォンの使用は禁止ですが、チェックイン(当日の試験開始プロセス)の際にスマートフォンが必要となります。チェックイン後にスマートフォンをテストエリアから除外できればよいのですが、そうでない場合試験エリア内で手の届かない場所にスマートフォンを置いておく必要があります。
スマートフォンの通知音(バイブレーション含む)が頻繁に鳴ると試験が中断されてしまう場合があるため、やむを得ず試験エリアにスマートフォンを置いておく場合、通知が鳴らない設定にしておきましょう。
ファイアウォール設定
PC でファイアウォールが有効になっている場合、試験前に無効にします。ファイアウォールが有効になっている場合、意図しない通信制限が発生し、試験要件を満たせず受験できない場合があります。
アンチウイルスソフト設定
OS のファイアウォール以外にも、アンチウイルスソフトでファイアウォールが有効になっている場合があります。試験前にアンチウイルスソフトのファイアウォールも無効にします。
アプリケーション(プログラム)の終了
試験用 PC を起動したら、すべてのアプリケーションを終了します。LockDown Browser 起動時、他のアプリケーションを終了を促すプロンプトが表示されます。ここからアプリを終了すると、強制終了となってしまうため、事前に終了しておきます。
主に気をつけるべきアプリケーションは以下のとおりです。
- ブラウザ以外で開いているアプリケーション
- 常駐アプリケーション(以下例)
- アンチウイルス
- メッセンジャーツール
- クラウドストレージのデスクトップアプリ
試験当日
試験時間になったら、Webassessor の「アセスメント」より試験開始ボタンをクリックし試験に臨みます。ウィザードが開始されるので、ウィザードに沿って受験環境を確認します。
チェックイン(試験開始プロセス。受験環境の確認などを行う)は以下の項目を1つずつ確認するため、20分〜40分程度かかります。要点を書き出しますので、事前に確認をしてスムーズにチェックインできるように準備をします。
デバイス状態の確認
- PC の電源が接続されているか
- プログラムがすべて終了されているか
テスト環境の確認
- 帽子、ヘッドホン、上着のフードは着用していないか
- 時計、ブレスレッド、ストラップ、ネックレスは着用していないか
- テストエリアは適切な明るさが確保されており、背景は明るすぎないか(逆光になっていないか)
LockDown Browser の起動
規約の確認
生体認証の説明と確認
- メガネやマスクは外す
- テスト環境は暗くないか
認証・機器のテスト
- 生体認証(顔認証)
- インターネット接続テスト
- マイクテスト(テスト録音)
- カメラテスト(テスト撮影)
- 上記テストは、生体認証以外であれば事前に確認することができます。環境に不安がある場合、下記の「System Check」より事前に確認します。
チェックイン
- スマートフォンで QRを読み込むか、URL を入力しチェックイン画面にアクセスしチェックイン作業を行う
- 自身の顔を撮影
- 身分証を撮影
- 部屋の四方を撮影
- 正面
- 正面右
- 正面左
- 左の壁
- 右の壁
- 背面の壁
- テストエリア( PC 配置場所)
待機時間
- 待機時間はミニゲームと待機人数が表示されます。
オペレーターとチャット
- 待機時間が終了するとオペレーターとチャットが開始され、最終確認を行います。オペレーターからのチャットは機械翻訳されたような日本語で送られてきます。もし英語で送られてきた場合「日本語でお願いします」と入力すると日本語に変換されチャットが送られてきます。
- 試験中は休憩ができないことの確認
- 試験前にトイレに行くか否かの確認
- 部屋の全体を Web カメラで投影
規約の確認
試験開始
- チェックイン時間は、試験時間に含まれません。
トラブル事例、注意点
インターネット接続が途切れた
試験中、インターネット接続が不安定になった事例があります。その際は、試験が一時停止されたことを示すメッセージが表示されました。
その後、インターネット接続環境が回復すると、メッセージが消えて試験が再開されました。落ち着いて画面のメッセージを確認してください。
チェックイン中のカメラ・マイクトラブル
ファイアウォールの停止忘れにより、チェックイン中にカメラやマイクが動作しなかった事がありました。ファイアウォールの停止は、一度チェックインのプロセスから離脱しなければなりませんが、既にチェックインで数十分かかってしまっていたため、試験プロセスが中止になってしまわないか、不安もありました。
しかし、チェックインを中断したところ、試験時間が再設定された旨のメールが届いており、そこから無事、チェックインを再開できました。
試験官とのチャットにたどり着くまでは、運営側とのコミニュケーション手段はメールになります。落ち着いてメールを確認してください。
PC トラブル
チェックイン中にPCトラブルで強制シャットダウン(ブルースクリーン)が発生し、試験が開始できなかったことがありました。数回発生し時間経過してしまったため、Webassessor の「アセスメント」から試験開始ができなくなってしまいました。
メールを確認すると「Kryterion サポートから問い合わせを行ってください」という旨の連絡がありました。
https://support.kryterion.com/lang/ja/ にアクセスし、右下のピンクのアイコンからサポート担当者に問い合わせを開始し試験の再開ができました。
万が一事情によりメールが届かない場合、Kryterion のチャットサポートから問い合わせを行うことが出来ます。問い合わせの際は以下情報を用意しておくと、問い合わせがスムーズにできます。
- メールアドレス
- 氏名
- 試験名称
セッションの切断
なんらかの事情で、チェックイン中にセッションが切断されてしまったことがありました。セキュリティブラウザ自体はそのまま起動しており、ポップアップ画面で「[✕] ボタンでブラウザを閉じてください。」とのメッセージが表示されましたためセキュリティブラウザを [✕] で閉じようとしましたが反応しませんでした。
Windows 端末のため、ブラウザを強制終了すべく [Ctrl + Alt + Delete] からタスクマネージャーを表示しようと思いましたが、これも反応しませんでした。
最終的に、画面内に「試験終了」というボタンがあったためそれをクリックすることでセキュリティブラウザが閉じました。ブラウザ自体が反応しない場合 PC のハードスイッチで強制終了しか手段がありませんが、セキュリティブラウザを閉じる際は「試験終了」から終了します。
スマートフォンの通知(バイブ音)
試験中、スマートフォンの通知が多く発生し、バイブが断続的に鳴り続けてしまったことがありました。
その際、試験画面に「テストエリアに不要なものがあります。クリアにしてください。」といったメッセージが表示されました。スマートフォンの操作を行ってしまうと、カンニングの疑いがかかると考え、近くにあった柔らかい布の上にスマートフォンを置いてバイブ音を軽減しました。
試験画面のメッセージはしばらくしたら消え、試験を再開することが出来ました。スマートフォンの通知には気をつけましょう。
花粉症のティッシュ
春先に試験を受けた際、花粉症で鼻水が止まらないことがありました。試験官にチェックインのチャットで相談したところ、ティッシュ数枚であれば承認を得た後持ち込みが可能でした。
ただしティッシュは箱や袋から出して、不正がないよう1枚ずつカメラに投影してチェックする必要がありました。テストエリアへの不要な物品の持ち込みは禁止ですが、やむを得ず必要となるものがある場合、試験官に相談してください。
考え中は目を閉じる
試験官とのチャットで案内もありますが、テスト中はカンニングを疑われないよう、目線を上下左右に逸らすことは避けます。目の疲労を感じた場合は、目を閉じて休憩してください。
その他オンライン受験に関する情報は下記ページに集約されています。事前に確認してからオンライン試験に臨んでください。
- 参考 : オンライン監督ガイダンス
荒井 雄基 (記事一覧)
クラウドソリューション部 クラウドサポート課
オンプレ環境のネットワーク・サーバーシステムを主戦場としていたが、クラウド領域にシフト。現在は Google Workspace を中心に企業の DX 推進をサポート。
・Google Cloud Partner Top Engineer 2025
・Google Cloud 認定資格 7冠
最近ハマっていることは、息子とのポケモンカード
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